没落のアメリカ。自国発バブル崩壊と中東戦争敗戦、どうする日本

tsuda20190701
 

6月29日、大阪で開かれた米中首脳会談で、アメリカによる中国への新たな制裁関税の発動は見送られたものの、予断は許されない状況の両国関係。トランプ氏については対中政策のみならず、イランに対する強硬姿勢や日米安保条約破棄の示唆等、相変わらずの「喧嘩腰外交」を展開しています。世界情勢が激変必至の中、日本はどの方向に進むべきなのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんがその道筋を探るとともに、2020年の米国大統領選後に世界を襲う大不況に日本はどう備えるべきかについても考察しています。

米国の無茶苦茶な政策で没落へ

米国の無茶苦茶な金融政策で作るバブル崩壊と中東戦争敗戦で米国は没落するような予感がする。その検討をしよう。

日米株価

NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで過去最高株価であるが、12月26日21,712ドルと暴落したが、利下げ観測と米中貿易戦争緩和期待で上昇して6月21日26,907ドルまで上昇し、6月28日26,599ドルと、ほぼ高値圏にいる

日経平均株価も、同様に2018年10月2日24,448円になり、12月26日18,948円と暴落し、4月24日22,362円に上昇したが、対中対墨貿易移民戦争激化で6月4日20,289円まで下落。しかし、米国で今年利下げ観測で6月21日21,497円と上昇。6月28日は21,258円になっている。

6月29日の米中首脳会談で、米中が貿易協議を再開することで合意したことで想定通りになった。このため、7月1日の東京市場は、荒れることはないようだ。

市場はバブル最盛期になり、米国民の7割が景気が良いと答えている。消費の増加も止まらない。しかし、米国の輸出製造企業の業績は下降してきている。先行きの不安が影響しているので、政治色の強い相場になっている。このため、株価最高値圏での利下げ観測と米中貿易戦争の様相のバランスで、株価が決まり、米中貿易戦争は休戦になり、株価は上がる方向になる。

先行きの不安から、米国債も買われて、金利が2%を切る水準になっている。金利が安いので、企業の借入金が2017年のリーマンショック直前より多くなっている。この借入金で自社株買いを行っているので株価は上昇しているが、製造業の業績は下降気味である。

株も債権も高く、金や仮想通貨も上昇してきた。フェイスブックも仮想通貨「リブラ」を始めると宣言している。このように全資産がバブル化してきている。世界はミンスキー・モーメントになるまで、資産バブルを拡大させるようである。

しかし、中央銀行は、積極的に金を買っている。中央銀行バブルを起こしている中央銀行が、不安から金を買う動きをしているのが、気になる。

米市場では、7月利下げ予想100%であるが、利下げをしないと期待を裏切ることになり、大幅な調整になるし、利下げをすると瞬間株価は上昇するが、その後は株価を下げて催促相場になる。強欲な市場になってしまった観がある。

米中貿易戦争の結果

しかし、米国もそろそろ関税UPによる貿易戦争を止める必要になってきた。関税を上げても、中国の5月の貿易統計によると、輸出は前年同月比1.1%増と、米国の関税引き上げにもかかわらず、予想の3.8%減に反して増加した。ただ輸入は前年比8.5%減と予想(3.8%減)以上に落ち込み、2016年7月以来約3年ぶりの大幅な減少率を記録。

ということで、米国は、中国からの輸入額は減らず、逆に中国への輸出額は大幅に減っている。中国の貿易黒字は米国の関税UPでも増えている。貿易量は減っているが、黒字額は増えているのだ。

勿論、中国は輸出が国内総生産(GDP)の20%近くを占めているので影響が大きいが、米国が目指している輸入減とはならないことが明らかになっている。その上、米国製品の中国での販売が難しくなっている。特に米国からの輸入減の多くは農畜産物であり、米国の農家が大きな影響を受けている。

このような状況は、1980年代当時の日米貿易戦争でも、米国の輸入量が減らずに増えてたことからも明らかである。関税UPでも貿易赤字が減らないと、次に行うのが輸入数量の制限となる。そして、中国企業が東南アジアで生産して米国へ輸出するので、米国の貿易赤字は変わらないことになる。すると、ベトナムなど中国企業の進出先国に対しても関税を上げることになるが、それでも輸入量が同じになる。このため、最後はドル切り下げになる。

トランプ大統領は、関税を上げれば、「企業が米国に戻ってくる」と思っているが、工場を建てて生産開始までに数年が必要であり、かつ米国企業は空洞化して技術力もなく他国企業を誘致して生産することになる。しかし、現時点でも、アップルのように米国で生産していた最高機種のPCを中国生産にして価格を引き下げる選択した。米国での生産は非常に難しいということである。

その上、賃金が高いので価格が上昇して、関税UPを継続することになり、物価上昇して景気後退になり、スタグフレーションを起こすことになる。景気よりインフレを止めるために金利を上げる必要になる。そのため、最後の手段としてドル切り下げしかなくなるのだ。

このサイクルをまた繰り返すことになる。ということで、ドル切り下げで円高になる方向になる。1ドル=99円程度が企業の採算分界点でありここまで行く可能性もある。

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