またトランプ自分ファーストか。イランという窮鼠が核を持つ日

 

ここからスタートすると、「イランて悪い国だな~」と思えますね。今後、そういう流れになっていくことでしょう。しかし、昔からの流れを丁寧に追っていけば、「イランだけが悪いということはできないでしょう。イランは、何を願っているのでしょうか?

イランのアラグチ外務次官は7日、合意維持を目指す欧州側から支援を引き出すため、交渉を続ける意思を示す一方、欧州側の支援が不十分な場合、60日ごとに新たな履行停止措置を取ると警告した。
(同上)

アメリカは、イラン核合意から離脱した。しかし、残りの国々、すなわちイギリスフランスドイツロシア中国はいまだに合意維持を望んでいる。それで、イランは、「合意維持を願うなら欧州は助けろ!」と。一方欧州は、「助けているよ」という立場。

欧州側は6月28日、米国の制裁下でも欧州企業が合法的にイランと取引できる仕組みを稼働させたと発表。だが取引対象が食料品などに限定されるため、原油取引を求めるイランは不満を表明している。
(同上)

欧州もアメリカが怖くて原油取引はできない状況なのですね。このまま事態が改善しないとどうなるのでしょうか?60日ごとに、イランは「合意違反」を拡大していく。ウラン濃縮度も、どんどん上げていく。そうなると、アメリカは、「やはりイランは核兵器製造を目指している!」として戦争になるかもしれません。戦争といっても、核施設への空爆程度で終わることを願いますが…。

現段階でトランプは、戦争を望んでいないでしょう。しかし、北朝鮮の例もあるので、放置することはできないと思います。

理想的な解決方法はないのでしょうか?あります。アメリカが、「イラン核合意に戻ればいい。すると、すべての国がハッピーな状態に戻ります。しかし、今となってはそれも難しいでしょう。

image by: BalkansCat / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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