「外交の安倍」を今こそ。米とイランを独自案で仲裁すべき日本

 

日本は本気で仲介を

日本は1950年代に石油施設の国有化で世界から孤立したイランから初めて石油を輸入した国で、その時のタンカーが「日章丸」だった。安倍首相の今回の訪問で日章丸にちなんだ“第二の日章丸”の幸運が実現することを期待されたが、イラン側は「日本がアメリカの使者として来るなら意味がない」としつつも仲介に立ったことには謝意を表したという。ここは日本独自の仲裁案をたずさえて何度も交渉する努力が必要なようだ。

(Japan In-depth 2019年7月23日)

※参考情報

時事通信によると、米政府は22日、米国のイラン制裁に違反してイラン産の原油を輸入したとして、中国の石油商社・珠海振戎と同社経営者を制裁対象に指定すると発表した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、イラン制裁再発動後原油禁輸に絡む中国企業への制裁は初めてと報じています。

23日の日経新聞によるとイランが米国のスパイとして22日に明らかにしたイラン人17人の逮捕を米国は全面的に否定した。双方の無人機撃墜の事実関係でも主張は食い違う。イラン情勢が緊迫の度を増す中で自らに有利な情報を発信し、国内の引き締めや国際世論の支持取り付けにつなげる狙いが透けると報じています。

image by: 首相官邸

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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