「客の立場になって考える」ことができない店員が激増した理由

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多くのクライアントを抱える人気の飲食店コンサルタントの中西敏弘さんですが、支援先で最近、気になることがあると言います。スタッフに、ある「経験」が不足している、とのことなのですが…、いったい何が足りていないのでしょうか。今回中西さんは自身の無料メルマガ『飲食店経営塾』で、外食産業に携わる者として不可欠なその「経験」について記しています。

最近、“スタッフの外食経験値の少なさ”が気になります!

最近、僕のご支援先を訪問し勉強会やミーティング等を通じ感じることは、各社のスタッフの「飲食経験」「外食経験の少なさです。

僕が各社で行っている勉強会やミーティングでは、「マニュアル等の決め事をただやる」というのではなく、個人個人が「考えて仕事をする」ということを求めます。

すると、必然的に「お客様はどう思うか?」「お客様は何を求めいるのか?」というのを考えるのですが、このテーマの時に、現実離れした回答、もう少し詳しく言えば、「そんな風にお客様思わないよ」というようなことを発言するスタッフが最近多いなあと感じます。

店にもよりますが、「価格よりも価値」を売りにしている店に来るお客様というのは、普段から、“外食する経験値も高く”、だからこそ、店に求めるものも高くなります。

例えば、接客であれば、外食する機会が少ない人であれば、ちょっとしたスタッフの表情や態度に、何も気にならなくても、外食経験値の高い人は、そのちょっとした表情や態度をすごく気にされます。料理にしても、盛り付けや食器の使い方、提供方法などにも、きっと“無意識のうちに厳しい目で見ているでしょう。

しかしながら、外食経験の少ないスタッフが見ると、上記のことに「何も感じない」という人も多く、お客様の方が「お店に対しての目」が厳しいということが最近多いなあと感じるようになりました。そのため、「いやいや、それじゃお客様喜ばないでしょ!」と思うことが、すごく多くなったように思います。

スタッフの外食する機会を増やすということは、なかなか簡単なことではないので、僕のご支援先に対しては、会社の仕組みとして、外食する機会を増やすようにしてもらっています。

例えば、月に1度は、必ず外食させ、そのレシートと簡単なレポートを提出したら、かかった飲食代は返金するとか、毎月1回、メンバーを変えながら、社長や幹部とともに外食に行く、などです。

さらには、僕は居酒屋など、アルコールを売る業態のお店の支援をすることが多いのですが、最近は、お酒を飲む人も少しずつ減ってきています。すると、やはり、お酒を飲む「お客様の気持ち」が分からない人も多く、こちらから、「お客様はこんな風に思うんだよ」と伝えることも増えてきました。

また、うちのお客様は、普段からこういう店に行っていて、こういうところをすごく気にするんだよ、とお客様の見る視点や気になる視点を伝えたりなど、スタッフの外食経験値を少しでも補うような話をする機会も増えてきました。

お客様のことを知らなければ、お客様が喜ぶような店つくりができるわけがありません。もっと、スタッフの外食する機会を増やす取り組み、そして、今のお客様がどのようなところを気にするのかを話す機会を増やすことが、今、すごく必要な気がします。

皆さんのお店のスタッフの外食経験値は高いですか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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