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キレても無駄。子供が「ちゃんと」「とにかく」を理解できない訳

自分と子どもだけでいる時、いつの間にかイライラし始めている…、そんな経験はないでしょうか。今回の無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』では、親子が共に楽しく過ごせる環境づくりのため、まずは親が余裕を失う前に試してみたいいくつかの予防策を提案しています。

子どもに対してキレてしまう…

このブログは、“父親術”と名乗ってはいますが、読者の半数以上は女性のようです。また、中には学生さんなど、パパ・ママ・保育士さんなど以外の読者さんもいらっしゃる模様。

そんな、まだ子どもを持っていない読者の方にお伝えしたいことのひとつが、「子育ては、楽しいことばかりじゃない」ということ。時には子どもを憎らしく思うこともあるものです。実際には、それでも充分にお釣りが来るくらい楽しい時間と素敵な経験が得られるのですけどね。それでも、このことを頭の片隅に入れておいてくださいね。

子育ての楽しさ・素晴らしさばかり聞かされていると、いざ自分が子どもを憎らしいと思ってしまった時が心配です。本来、自然で普通なことなのに、自分がものすごくダメな親に思えたり人間失格な気分になってしまい自分を責めてしまう恐れがありますので。

さて、「時に憎らしく思う」ことが「自然で普通なこと」であるとは言え、中には「子どもに対してブチ切れてしまう」というような状況も、起きてしまうことがあります。読者の方の中にも、このことを気にしている方は多く、メールいただく話題のトップ3に入るのでは、思うほど。「ついカッとなってキレてしまい、後になって後悔する、の繰り返し」「今日こそは穏やかに優しく、と思っていても、結局イラついて怒鳴ってしまう」など、お悩みの声をよくお聞きします。

その時はその時で、後で冷静になってから「ちょっと怒りすぎちゃった、ごめんね」と言えば良いのですが、できる範囲で防いだり減らしたりすることは、心がけても良いでしょう。

子どもに対してキレてしまう時に共通する条件が、

  1. 親の側に余裕がない
  2. 何度言っても、言うことを聞かない

の2つ。これらを詳しく解きほぐしながら、どうすればキレずに済むかのヒントをお届けしますね。

1.親の側に余裕がない

親の方に余裕がない時には、余裕を回復するのが一番です。この点については正攻法がおススメです。体力的に余裕がないなら、休息しましょう。時間的に余裕がないなら、一定の時間内にやろうと思っている「やるべきこと」「最低限やっておきたいこと」を、思い切って大幅に削減しましょう。気分的に余裕がないなら、「こうでなければイケナイ」という思いや、どこかで言われたこと・読んだことを忘れて、「自分と子どもが居心地良いかの原点に立ち返ってみましょう。

…でも、それができないから、余裕を失っているのですよね。

ここで強くお勧めしたいのが、人の手を借りること。じじ・ばばに預ける、近所の子育て仲間にしばらく子どもを見ていてもらう、保育サービスを利用する、というのが代表的な「人の手を借りる」作戦です。他にも、子連れで行ける遊び場・サークルなどを見つけておく、個人的な仲間以外にも相談できる機関・相手を知っておく、なども役に立つでしょう。

ですが、「人の手を借りる」ことは、往々にしてとても難しく、勇気を必要とします。この点については機会を改めて書こうと思いますが、余裕があるうちに頼り頼られることができる仲間を意識的に増やしておくことは、今の時代の子育ての重要項目です。

2.何度言っても、言うことを聞かない

これは、1.が親の側の問題であることとの対比で言えば、子どもの側の問題ですね。ですが、案外とそうとも言いきれない面もあるのですよ。

2-1.言っている内容──「本当に言うべき内容か?」

まずは、子どもに言っている内容=子どもにやらせようとしていることを、再チェックしてみましょう。

「食事中にトイレに立ってはいけない」

…ごもっとも。でも、そうしたマナーを習得すべき時期は、本当に今でしょうか?むしろ、食べ始めて胃腸の動きが活発になり、トイレに行くというのは、子どもにはよくある自然なこと”では。

「洋服ダンスの中がぐちゃぐちゃ」
「オモチャ箱に何でも闇雲に放り込む」

…なるほど。この子はきっと将来、整頓されていない収納で苦労して、キレイに片付けることを学ぶのでしょうね。でもその“将来”がいつなのかは、子ども本人が決めること。今はメチャクチャでもタンス・箱に片付けたことを認めてあげてください

すでに自分の中で「当たり前」と思って子どもに言っていることでも、改めて見直してみると絶対に必要というほどではないだったり、「全くこだわる必要がないだったり気付くものも多いはずです。

2-2.使っている表現──「子どもに理解できる言い方か?」

典型的な悪い例は、「ちゃんととにかく」。これが口癖の方は要注意ですよ!「ちゃんと」の意味は「私から見て、充分に許容できる方法・品質であること」。その方法と品質については実は何も説明していません。この言い方で子どもが「ちゃんと」できる可能性は、限りなくゼロに近いということ、心得ておきましょう。なので、「ちゃんと仕舞いなさい」はNG。

本当はイチイチここまで言わなくて良いのですが、対比のために言い換える例を挙げるなら、「1枚1枚、どのシャツか分かるように入れておくと、着替える時に見つけやすくて便利だよね」「大きいおもちゃは大きい箱に、小さいおもちゃはこっちの引き出しに入れておくと、使いたい時にすぐに見つかるよ」と、説明してあげる、ということになります。

「とにかく」の意味は「あなたには理解する必要も納得する必要もない。ただ命令に従え」。しかし、目の前にいる“子ども”というイキモノは、理解できて納得した時に大きな行動力を発揮する性質を持っています。

「とにかく片付けて!」ではなく、「床におもちゃが転がっていると、パパ、踏んづけたら痛そうで心配だなぁ。おもちゃを壊してしまっても申し訳ないし。このおもちゃたちみんなを、自分の箱や引き出しに戻してあげられたら、次に使いたい時もすぐに見つかりそうで安心だなぁ」と言うと、おもちゃたちは足が生えたように、みんな自分の居場所に戻っていきますよ。

2-3.言っている場面──「子どもが受け取れる状況か?」

どんなに適切な内容を、分かりやすい表現で言ったとしても、子どものコンディションが悪ければ言う通りには動けなくて当然です。分かりやすいのは、空腹眠気疲労。こんな時の子どもにとっては、片付けよりも、食事睡眠休息の方が圧倒的絶対的に重要なはず。前述の「食事中にトイレに立ってはいけない」を、子どもが食事中に立ち上がってから言うのは、この点からも不適切ですね。だって、もう差し迫ってますから(苦笑)。

言うのであれば食事の前に。「ご飯の途中にトイレに行くよりは、先に行っておいたほうがゆっくり食べられるね。それに手を洗うのも1回で済むし。さ、今のうちトイレ行っておこうか」

さて、皆さんに身近な状況・環境で、上記の「キレてしまう状況に陥りやすい要素がいっぱいのものがあります。お分かりでしょうか?

答えは、「親子2人きり家の中」。

この“要注意”環境に浸りすぎず、同時に仲間を作るためにも、可能な限り外に遊びに行ったりお友だちを招いたりお友だちの家に遊びに行ったりして過ごせるといいですね。読者の皆さんと、子どもたちが、お互いに機嫌よく楽しい時間を過ごせるよう、応援しています!

image by: Shutterstock.com

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【著者】 パパコーチ くろさわ 【発行周期】 週刊

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