「障がい者の学びの場」で見えた新しい人と何かに「つながる」形

 

今回のオープンキャンパスは理屈を教える講義ではなく、実感・体感をしてもらうプログラムを中心にした。特に音楽を使ってのコミュニケーションでは全員の体に鈴を付けて伴奏をし、プロのピアノコーラスグループ、サームのピアノと歌に合わせたのが面白かった。

最後には全員が円になり伴奏しながら、ハイタッチする光景は、新しい人と何かに「つながる」ための学びの形を示せたのではないかと思う。まだまだ改良を加える必要があるが、重度障がいの方でも「学べる」プログラムの開発に向けて確実な一歩だと考えている。

この学びの実感を得たのは、先述の「その相手」に直接に会ってお話をし、こちらの考えを伝え、真意を理解してもらったことが大きい。私がシャローム大学校を広めたいわけではなく、障がい者の学びを作るためのきっかけにしてほしい、共生社会における当然の機会としての学びの場を地域に位置づけるため、私は種を蒔くために来たのです、という説明だ。

今年の開催を受けて佐久市と伊東市で障がい者の学びが全国における先駆的な地域モデルとして確立するために、来年も取り組みたいと考えている。来年は東京オリンピック・パラリンピックイヤーでもあり、地域の福祉を「共生社会」の中で、誰もが一緒に、を実現するにはよい契機であるのは間違いない。

地方ではまだまだ意識を変える必要があるが、これまでの地域福祉の軌跡の尊厳を保ちながら、新しいステージに行けないかを考え続けている。

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特別支援教育が必要な方への学びの場である「法定外シャローム大学」や就労移行支援事業所を舞台にしながら、社会にケアの概念を広めるメディアの再定義を目指す思いで、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを模索します。

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