鍼灸師が説く「座りっぱなし」の害。対策は日常生活の少しの工夫

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ふと気づくとパソコンの前で2時間も3時間も作業をしていたなんてことはありませんか?根を詰めていると、知らずしらずに姿勢は猫背、呼吸は浅くなってしまい、それが消化器への負担となるようです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』ののぶ先生が、座りっぱなしが体に及ぼす悪影響と、改善策を教えてくれました。

座りっぱなしはよくない

【ながらく座すれば、肉をやぶる】

東洋医学では、何事もおんなじことをずっと続けていると、カラダに良くないということを説いています。長らく立っていれば、髄(関節)を傷めるとか、歩きっぱなしも血流に負担をかけるとか、眼精疲労などは筋を緊張させてこわばらせるとか。

そして、座りっぱなしはカラダの肉付きに関係する消化器の働きに負担をかけると解釈できます。

【現代人の座りっぱなし】

座禅や瞑想など、座ってじっと眼を閉じて過ごすとき、きっと姿勢や呼吸などに気を配ることをしているのでしょう。心身に良い取り組みとして紹介されているから、カラダと向き合うことを中心に行われているんじゃないかな。

でも現代人の日常の座りっぱなしは、こんなカラダに関心を持つということからかけ離れています。パソコンや資料に目を落として、じっと猫背で息をつめながら根気を消耗する作業をすることが当たり前。半日座りっぱなしで過ごすのは、小学校就学からすでに当たり前になっているのかもしれません。

【座り疲れをリセット】

猫背で息が浅くなると、横隔膜の運動が低下して消化器全般を刺激する力が弱くなります。横隔膜でマッサージされない消化器は、血流が悪くなり内臓が下垂しやすくなり、下がった内臓は骨盤内の臓器を上からおさえるようにして負担をかけるので、腰痛や腹痛、膀胱炎や便秘、足腰の血行不良や静脈瘤の原因になります。

座りっぱなしは気をつけておかないとマヒしていまします。決してカラダにとってよいわけではないのです。立ちっぱなし、歩きっぱなしの後座るのは楽チンですが、そんな座りっぱなしもカラダには毒になるのだよ、と日常気を配って過ごしたいですね。

江戸時代後期に書かれた養生訓には、身のまわりのちょっとしたこまごましたことは、誰かに頼まないで、腰を上げて自分でするとよいのだよ、と座りっぱなしの害と対処を説明してくれています。

テーブルの上のごみは自分で席を立って捨てたらよいし、食後の食器は自分で下げるくらいの手間を、健康法のひとつとして積極的に取り組んだらいいんじゃないですかね。慣れれば大したことではないけど、慣れるまでは、意外といい運動になったりします。

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臨床歴20年の鍼灸師。東京都杉並区在住。「やさしい鍼」という流儀で治療を行っている。小学生の娘2人をもつ、子育て真っ最中のパパでもある。メルマガには季節にあった体に負担のかからない暮らし方、食事のとり方が書かれているので、そのとおりに過ごせば病知らずです。

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【著者】 鍼灸師・のぶ先生 【月額】 660円/月(税込) 【発行周期】 毎週金曜日

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