猫ブームでの医学的対策
猫ひっかき病の多くは局所のリンパ節炎をきたすだけで、特定の抗生物質を処方するだけで症状はよくなります。しかし、中には特別な病態をきたして重症となることがあります。肝臓や脾臓の炎症、網膜や視神経の炎症、脳炎、心内膜炎などです。これらは重症となり、後遺症を残すことがあります。
猫ひっかき病の患者さんを立て続けに診察したことから私は猫について調べてみました。なんと、日本は今、空前の猫ブームなのです。数年前に、飼育数で犬を抜いていたことがわかりました。猫ひっかき病が増えるはずです。
原因となる猫のバルトネラ菌は猫に寄生しているノミによって猫から猫へと感染します。ノミの駆除が効果的で、セラメクチンなどの薬がその駆除に効きます。バルトネラ菌に感染しても猫は無症状ですので、猫が元気でも感染していないとはいえません。ノミの駆除が必要かどうか動物病院に自分が飼っている猫を受診させましょう。かわいいペットが原因で家族が病気になることを防ぐためにお勧めします。
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