総務省が今度は「ネットオークション」に介入――中古スマホ流通でヤフオク、メルカリ、ラクマが標的に
もうひとつ、有識者会議で気になったのが、ネットオークションへの介入だ。
会議では「中古端末市場の動向」として、総務省がプレゼン。さらにリユースモバイル関連ガイドライン検討会が、中古端末におけるリユースモバイル事業者認証制度などについて説明を行った。
総務省のプレゼンにおいてヤフオクやメルカリ、ラクマにおける中古スマホの流通について触れられたのち、有識者から「ネットオークションにおいても安心して中古端末を取引できるようにすべきではないか」という意見が出された。
そもそも、端末と料金が分離されている中、なぜ、総務省は端末販売のみならず、中古市場にも口出しをするのか。しかも、個人間の取引であるネットオークションやフリーマーケットにまで介入するのは理解に苦しむ。
ちなみに事実関係としてはリユースモバイル事業者認証制度には審査委員会があり、その中には有識者が名前を連ねている。
リユースモバイル事業者たちにとってみれば、街中の中古端末取扱事業者を経由せず、ネットオークションなどのC2Cプラットフォームを経由して中古端末が個人間で取引されるのは看過できないのだろう。
有識者の中には「海外でC2Cプラットフォームを利用してペットを売買すると、それだけで個人ではなく事業者としての扱いとなる」という発言もあった。
今後の展開次第では、総務省がネットオーション企業に要請を出し、個人間の取引であっても、端末状態の表記を厳格化するなど、事業者と同等のルールを課すような動きが出てきてもおかしくない。
「消費者が安心してネットで中古端末を取引できるようにするため」との大義名分で、ネットオークションでの中古端末の流通を潰しにかかる可能性もありそうだ。
ネットオークションでの売買は、品物によっては「買取業者よりも高く売れる」とか「中古業者より安く買える」という、買い物をする楽しみが存在する。また、地方在住者であれば、最寄りに中古取り扱い店舗がなく、ネットオークションで購入するのほうが便利だったりする。
確かにネットオークションの出品者のなかには個人ではなく、企業が組織的に出品していることもある。リユースモバイルの業界団体としては、そうした企業の出品をなんとかしたいという思惑もありそうだ。
いずれにしても、総務省がネットオークション市場にまで介入しようとしているのに関しては、余計なことをしないよう目を光らせ続ける必要がありそうだ。
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