人気の日本酒「獺祭」の蔵元が仕掛けたユニークな試みが話題となっています。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、旭酒造が開催する「原料米のコンテスト」の全貌を記すとともに、「視点の面白さ」が光るマーケティング方法について独自の分析を加え紹介しています。
山田錦プロジェクト
日本酒「獺祭」で知られる旭酒造では、農家を対象としたコンテスト「山田錦No.1決定戦」を開催しています。日本酒の原料米である山田錦をもっとも良質に育てた農家から、高額で買い取るというものです。
通常50俵100万円のところを2,500万円で買い取るのです。
これで、農家のやる気が高まることは間違いありません。
昔からの経験と勘で挑む人。スマート農業を導入して臨む人。みんなの目の色が変わり、さらに優れた米、さらに美味しい日本酒が誕生することになりそうです。
新市場の創造
「ヨロ研」。さいたまヨーロッパ野菜研究会という農家集団。フレンチ・イタリアンなどで使われる野菜を中心に栽培しています。日本では、ほとんど作られていない野菜を作ることで、小さいながらも確かに存在する市場を開拓しようとしています。
日本にない野菜は、代用品を使うか、直輸入に頼るかしかなかったのですが、確実に日本で手に入ることがわかれば、その販路は間違いなく拡大することが見込めます。また、複数の農家が協力し合うことで、多品種の生産が可能になり、新たな需要を掘り起こすこともできます。
「新市場の創造」と言えますね。
15種類の味
黒毛和牛を提供する、ある焼肉屋さんでは、つけダレや薬味を15種類用意しています。
「ガーリック塩」「紅塩」「柚子胡椒」「おろしポン酢」「スパイス」「塩昆布」など。これらが一度に並ぶことで、食べる楽しさがさらに増します。
また、15種類もあれば、お客さまの口に合うもの、好みのものが必ずあるはずです。つまり、間違いなく、美味しいと思ってもらえる、ということです。それは、「このお店は美味しい」という評価にも繋がるのです。
どれだけ高級なお肉であっても、何をつけるかによって、味は大きく変わります。15種類の味を試してもらうことで、“美味しい”の可能性を高めることができるのです。
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