重度訪問介護が就労中は公的補助を受けられない問題について、厚生労働省は15日、助成金を拡充する方針を固めたと毎日新聞、東京新聞、NHKなどが報じた。れいわ新選組の舩後靖彦参院議員らが、就業中も公的補助の対象とするよう制度の見直しを求めていたが、こちらについては見送った。
一方で、厚生労働省が16日に発表した、重度訪問介護を担う事業所を対象とした就業に関するアンケート結果では、重度訪問介護の利用者の就労率は6%、就労を希望する利用者の割合も5.4%であったことも判明している。調査は今年の10月〜11月、全国7320の事業所を対象に郵送方式で行ない、約40%が回収された。
重度障害者「働きたい…」 国 “就労中の介護サービス”見送る #nhk_news https://t.co/MdAYdXDfY2
— NHKニュース (@nhk_news) December 16, 2019
「働きたい」けどサービスを受けられない実態
今回の調査で、重度の障害がある方の中には「働きたい」という希望している方が、現在就労している方と合わせて11.4%にも及ぶことがわかった。しかし、常に介助を必要としている方に向けたサービス「重度訪問介護」は、通勤や仕事をする場合は公費を伴うサービス利用が認められていないのが現状だ。こうした実態を踏まえ、れいわ新撰組の国会議員らが対象に加えるよう制度の見直しを求め、厚生労働省は就労支援を進める方針を固めた。
助成金の内容
財源は、法定雇用率を下回った民間企業が支払う「納付金」。現在は職場に介助者を配置した場合に必要経費の3/4以上を助成するか、障害者ひとりにつき月15万円を支払っているが、助成率を引き上げる方針だ。さらに、障害者を対象に「地域生活支援事業」を自治体に行なってもらう。この事業への補助として、来年度予算案に15億円を計上した。