謎の死を遂げた人も。中国の収容所から続々と届く「悲痛な叫び」

shutterstock_1368913667
 

中国の人権弾圧の現状が、思わぬ形で明らかになりました。先日英国で購入されたクリスマスカードに、中国の生産工場で強制的に働かされている外国人受刑者からの「SOSメッセージ」が書かれていたというニュースが報じられ、世界中から非難の声が上がっています。しかし、「中国ではこうした人権侵害は日常的に行われている」とするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんはメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』でその証拠を列挙するとともに、ファシズム国家へと変貌を遂げる中国への警戒を呼びかけています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年12月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】中国収容所から届く悲鳴

クリスマスカードに「助けて」 英スーパー、中国での生産を停止

今年もクリスマスがやってきました。みなさん、クリスマスはいかがお過ごしでしょうか。せっかくのクリスマスですが、敢えてこの残念なニュースを取り上げました。このメルマガでは何度か中国の人権侵害問題を取り上げてきましたが、クリスマスに再びこのようなニュースに触れたことをとても残念に思います。しかし、中国共産党が一党独裁を敷いている限り、この問題は解決されることはありません

イギリスのスーパーで購入したクリスマスカードに、中国の生産工場の人がSOSメッセージを書いていたというニュースです。

ロンドンに住む少女が、学校の友人にカードを送ろうとイギリスのチェーンストアのテスコで売っていたクリスマスカートセットを購入。何枚か書いた後、次のカードを開くと、買ったばかりのカードにすでに何か書いてありました。以下報道を引用します。

そのカードに、ブロック体の大文字で、「私たちは中国・上海青浦刑務所の外国人受刑者だ。意思に反して働かされている。私たちを助けてください。人権団体に知らせてください」と書かれてあったという。

 

さらに、このカードを手にした人に、英国人ジャーナリストのピーター・ハンフリーさんに連絡するよう依頼する文章が記されていた。ハンフリーさんは4年前、上海青浦刑務所に収監されていた。

ハンフリーさんはBBCの取材に対し、2013~2015年に上海で拘束されていた際、最後の9カ月間は今回のカードを書いた受刑者がいるとされる刑務所に収監されていたと説明。

 

「これは私と同じ時期に収監されていた受刑者仲間で、現在も服役中の人が書いたとものだ」とした。

 

また、メッセージの内容は多くの受刑者の声を反映したものだとの考えを示し、誰が書いたかわかるが名前は決して明かさないと述べた。

近年、こうした出来事はこれまでも何件かが発覚してニュースになっています。例えば、イギリスの激安ファストファッショブランド「プライマーク」は、二度もこの種のニュースが出ています。

ひとつは、2014年「プライマーク」で購入したズボンからメモが出てきたというもの。そのメモには、「SOS!中国湖北省の強制労働収容所に監禁されている者です。毎日15時間に及ぶ労働を強いられている。ここで縫製されたアパレルは海外に輸出されている」と書かれていたそうです。

英人気ファッションブランド、中国の強制労働収容所で製造か

もうひとつは、同じく2014年、全く面識のない二人の女性が買ったワンピースに、メッセージ入りのタグがついていたとのニュースです。そのタグには、英語で「FORCED TO WORK, EXHAUSTING HOURS(無理やり働かされている。それも信じられない時間)」「“DEGRADING” SWEATSHOP CONDITIONS(みじめな環境の工場)」と書かれていました。

【続報】「助けて!」メッセージについて Primark が調査報告を発表

print
いま読まれてます

  • 謎の死を遂げた人も。中国の収容所から続々と届く「悲痛な叫び」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け