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米国にノンアルコール飲料ブームの兆しで日本企業にもチャンス

少し前になりますが、1月19日から21日かけて「第45回ウィンター・ファンシー・フード・ショー」がサンフランシスコで開催されました。食品や飲食に関わる人なら気になる情報が多くあるというこのフードショー。『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者で、マーケティングのプロでもあるりばてぃさんがこの様子を紹介。アメリカではアルコールフリーのビールやカクテルにブームの兆しがあるようで、日本の事業者にもチャンスがありそうだと伝えています。

2020年ウィンター・ファンシー・フード・ショー

ようやく、サンフランシスコで開催された「ウィンター・ファンシー・フード・ショー」(45th Winter Fancy Food Show)についてお伝えしよう。

食関係のお仕事をされているという方はもちろんだが、食に関係ない仕事をしているという方にとっても体に重要な食について今の欧米のトレンドやなぜそうなのか?について学べるし、食のお仕事やはたまた海外事業展開しているという方にとっても参考になる話がかなりあると思う。

まずは基本情報を今号で取り上げ、次号は2020年の食のトレンドをみながら個別の事象や、日本の食材の取り上げられ方、さらには、海外の人が日本の柚子農家を買取り展開している飲料についてもお伝えする。

それでは、「ウィンター・ファンシー・フード・ショー」(以下フード・ショー)の概要。このフード・ショーは、1月19~21日までサンフランシスコの複合展示施設のモスコーニ・センター(Moscone Center)で開催された食の見本市。開催は今年で45回目。アメリカ国内外から1,400社の食品関係企業が参加し、飲食アイテムは80,000種類超、参加者は20,000人超と今年も大盛況だった。

特に全米のメジャーな食品スーパーマーケットや、それらの店舗に商品を卸す各種食品メーカーが一同に介するカンファレンスとなっているため具体的な商談を行う出展ブースも多々みられる。

また、特別展示の1つにインターナショナル・パビリオンがあり日本からはJETROが取りまとめた日系食品企業が参加した他、イタリアやフランスなど17カ国が参加している。ちなみにJETROがこのフード・ショーのためにパンフレットなどに出した広告がかなり酷かったので、次号のメルマガ読者限定動画で実際の広告を見せながら簡単に解説しようと思う。

今年はイタリアがフード・ショーのパートナー国となり、75社も出展。インターナショナル・パビリオンのイタリアエリアは食欲をそそるトマトソースや美味しそうな生ハムやサラミ類、パスタなどが出展。アメリカにはイタリア移民もかなり多いので、すでにメジャーなスーパーマーケットで見かけるものも数多くあった。

なお、このフード・ショーは6月にサマー・フード・ショーとしてニューヨークでも開催されるが、イタリアが引き続きパートナー国となっている。

他には、ニューヨーク州やミネソタ州など州ごとの名産をとりまとめたエリア、新たな食品を発掘する食のインキュベーターブースなども設置。グルテン・フリー食はもちろんだが、今年はアルコールが入っていないビールやカクテルが多数出展。次号でお伝えするトレンドの1つにも選出されており、特にフルーツや炭酸水と合わせてインスタ映えしそうなお洒落な瓶に入れているものが多めである。

日本でもノンアルコール飲料は人気だがアメリカでもその傾向が出ているようで今こそ甘酒をオシャレな入れ物に入れて売ったらチャンスがあるのではないだろうか。もしくは、日本酒の麹の香りを生かした健康飲料なども良いと思う。

モスコーニ・センターほぼ全域を使って開催しているので全部をみてまわるには2日は必要だが、ターゲットを決めてみていくなら1日でも良いし、例えば、視察期間を4泊5日程度にして、1日目はフード・ショー、2日目は市内の主な食品スーパーや注目の食の小売店視察、3日目は食以外の小売店調査のような日程を組めばかなり効率的な視察になるだろう。

サンフランシスコは小売店に関しては少し弱いので、欧米の食のトレンドをみてまわりたい方は6月のニューヨークのフード・ショーをおすすめする。

ちなみに食品を作っているという方はこういったフード・ショーに出展したいと考えられると思うので、関係者に聞いたおおよその出展料金をお伝えすると、JETROのブースで出展する場合は数百万円、独自でブースを出す場合は1千万円は予算を持つべきだそうだ。この他、渡航費なども発生する。将来的にブース出展されたい人にとっても、まず視察しておくのは非常に効率が良いと思われる。

なおこのカンファレンスを主催するのはスペシャルティ・フード協会(Specialty Food Association)。1952年にニューヨーク市で設立し、市場規模1億4,870万ドル(約165億円)あるスペシャリティフードの主唱者として、作り手と消費者を繋げ業界の活性化のために尽力している。『食を通じて世界を繋げたい』という想いで新たな食品や飲料品の発掘、食のトレンドを知れる場としてこのフード・ショーを開催しているとのこと。

image by: Justyna Sobesto / shutterstock

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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