ダイドードリンコはなぜ道の駅や高速道路のSAでオムツを売るのか

 

なぜ、ジュースの自販機でおむつを売るのか?

さて、ダイドードリンコの自販機に戻りましょう。ダイドードリンコは、ジュースの自販機に、「おむつ」を入れて販売しました。ただそれだけです。

世の中にないジュースを発明したわけではありませんし、他社より圧倒的に美味しい、または安いジュースでもありません。もちろん、画期的なメカニズムの自販機でもありません。世の中のニーズにあったものを、自社の店頭に並べただけです。このように、今あるものと今あるものを、くっつけて売るだけで、子育て世代にとっては、「ありがたい」ものです。

こうなると、おむつのある自販機を選ぶことも多くなり、自然と売上も上がるし、以降も、同じジュースを買うのならダイドーで、とか、ダイドーの自販機を探そう、となるのです。

くっつけるだけの新結合は一見簡単そうに見えますよね。でもなかなかできないよ、という声もよく聞こえてきます。そこで、2つのコツを紹介します。まず1つ目は、「画期的な発想をする」ことです。

これも「そんなこと言っても簡単じゃないよね」という人が大半でしょう。なぜ、画期的な発想が浮かばないのでしょうか?それは、「思考が停止する」からです。この思考を停止させる“悪者”が2つあります。

それは、こうに決まっているという「固定観念」と、うちはこれで売れてきたんだから、という「過去の成功体験」です。この2つがあると新しい発想は出てきません。売上に行き詰まったら、固定観念と成功体験に囚われていないか、をチェックしましょう。

自分一人では難しいので、他人を交えて考えるといいですよ。その際は、若者~新人や世代が若い人、よそもの~自分と違う部署の同僚や取引先の人、バカ者~いつも変わった発想をして笑わせてくれる友人といった仲間たちが助けてくれるでしょう。

もう1つのコツは、くっつける際に、「意外なもの」で、なおかつ「ニーズがあるもの」です。この組み合わせをいくつか考えて、採用しましょう。いくら意外で画期的なものでも、ニーズがなければ売れません。マーケティングの出発点は「顧客のニーズ」なのです。

image by: shutterstock

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