安倍晋三首相は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言に踏み切る意向を固めた。諮問委員会に諮り、専門家の意見を仰いだうえで、6日にも表明し、早ければ7日に宣言する見通し。宣言が出されれば初めてとなる。
早ければ7日にも緊急事態宣言を発令
首相は6日に専門家ら16人で構成する「基本的対処方針等諮問委員会」を招集し、緊急事態の要件に該当するかどうかを諮問する。その後に政府対策本部を開き、緊急事態宣言に向けて本格的な準備に入る意向を表明する方向で調整している。7日か8日に宣言を発出する見通し。対象地域は首都圏に加え、大阪府や兵庫県も候補に挙がっている。
緊急事態宣言は政府対策本部の本部長を務める首相が、都道府県を単位とする区域や実施期間などを示して出すと、特措法で定められている。該当地域の都道府県知事が、感染拡大防止などで必要と判断すれば、住民への不要不急の外出の自粛要請や、施設の使用停止、イベントの開催制限の要請・指示などの措置をとることができる。
東京都内ではここ数日、感染者数が急増しており、5日は143人が新たに確認され、累計で1033人に達した。東京以外の首都圏や大阪などでも増加傾向が顕著になっており、首相は緊急事態を宣言しなければ国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすと判断したとみられる。
首相は宣言に合わせて国民向けに記者会見し、感染防止に向けた行動を取るよう呼びかける。新型コロナを加える改正法が3月に国会で成立し、施行されていた。同法に基づく実際の宣言は初めてとなる。
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