J1札幌の全選手が「減給」を提案。ネット「国会議員は?」の声

2020.04.06
by MAG2NEWS編集部 NK
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J1札幌の全28選手がクラブ側に今季の給与減額を申し入れ、減額は総額で1億円弱になるとスポーツ報知が報じた。クラブとしての今季の損失はすでに5億円以上が見込まれていたという。


選手が身を削る

今季のJリーグはすでに3度中断期間の延長が決定している。6月初旬の再開をめざすとしているが、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらず、公式戦再開は不透明なまま。クラブの通年の損失は、1試合あたり数千万円にのぼる入場料や放映権料などがなくなることから、5億円以上になる可能性があるとされており、これを知ったクラブの全選手が今季の給与減額を申し入れたという。

公式ホームページで公開された、宮澤裕樹キャプテンを始めとする札幌の選手たちからのメッセージは以下の通り。

宮澤裕樹キャプテンを始めとした、コンサドーレ選手一同からのメッセージ

私たち北海道コンサドーレ札幌に所属する選手は、北海道への貢献を考えて活動しているクラブに賛同し、日頃のトレーニングはもちろん、地域貢献なども含めて所属選手として活動しています。新型コロナウイルスの影響が大きくなり、改めて様々な方々に支えていただいて、選手活動ができていることを実感しています。

 

同時に、このような状況だからこそ、いつも以上に支え合わなければならないと感じています。新型コロナウイルスによるクラブへの影響も大きくなる現在の状況を鑑み、我々北海道コンサドーレ札幌の選手一同は、クラブに対して支援することを全選手合意のもと、決めました。その先にある北海道への支援につながると考えたからです。

 

現在も公式戦再開のめどが立たず、この状況はしばらく続くかもしれませんが、今後はさらにクラブと一体となり、新型コロナウイルス感染症の危機克服につながるような地域・社会貢献などについても、できることを一つずつ実施していこうと思います。

 

難しい状況ですが、いつも以上に仲間や周囲の人のことを思いやり、コミュニケーションをとり、一人ひとりができることを実践して、みんなで乗り越えていきましょう。

 

北海道コンサドーレ札幌 選手一同

スポーツ報知によると、野々村社長は「北海道やクラブを気にしてくれていることへの感謝をすごく感じた。金銭うんぬんよりも、その気持ちがうれしい」と述べたが、実施するか否かについては明言を避けた。思っていてもなかなか行動に移せない、今回の勇気ある提案。選手と社長の信頼関係とサッカーとクラブに対する熱い思いを感じたのは私だけではないだろう。

イタリアのユベントスも選手側の発案により、全選手・監督の3~6月分の給与をカット。ポルトガル代表FWのC・ロナウドは、なんと約4億5600万円がカットになるという。イングランドのマンチェスターUも選手側の提案により、中断期間中の選手の給与の3割を地元で新型コロナウイルスの治療にあたる病院や医療サービスに寄付するとしている。

国家公務員や地方公務員の給与カット

Newsweekによると、約9%という高い死亡率を出しているインドネシアでは、国家公務員や地方公務員が「帰省禁止」や「給与カット」などの対策を取っている。西ジャワ州のリドワン・カミル知事は「新型コロナウイルス対策に回す財源を確保するため」として、州の地方公務員の給与を今後4カ月間一律カットすると明かした。これに対して、公務員だけが対象となっていることへの不満の声と、「税金で仕事をしている以上当然」「民間企業と違い、解雇に追い込まれる心配はない。恵まれている」という声で世論は二分しているという。

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