現役探偵が糾弾。いじめ自殺事件の加害者を守る商船高専の実態

 

校長による不適切発言といじめ加害者らの訪問

ご遺族はその後、学校の訪問などを受けているが、特に耳に残っているのは、当時の校長による「伝統ある学校でこんなことをしてくれて!」という発言だと言う。

校長は発言を否定しているが、想像するにその言葉のまま言っていないとしても、ニュアンスとしてご遺族に向けて話す内容ではない発言をしたことは間違い無いはずだ。

葬儀においては、いじめの加害者も紛れて参加しているわけだが、彼らの態度は騒がしく、死を悼むという様子はなかったと他の生徒らは話してくれた。

学校は調査よりも残った生徒のケアとしての動きを強く見せている。一方で、Cは保護者と一緒にご遺族を訪問している。その際に、ご遺族は前述のいじめ自殺未遂事件の被害者が、B君をいじめていたと聞かされている。つまり、Cは自らしていたことなどを全て被害者がやったことにしていたのだ。ここに保護者が伴ったことで、B君のご遺族は混乱した。

ただ、多くの違和感があったという。

例えば、Cによれば、B君は「カップ焼きそばも作ることができなかった」というが、そんなことはなく、カップ麺程度は普通に作ることができた。そうしたことから、Cは本当に友人なのか、疑問を持っていたのだ。

それにしても、自分らが死に至らしめた相手の実家にわざわざ訪問し、嘘をつくという神経は信じられないところだ。お線香をあげさせてほしいということだったということから、もしかすると、何かの異変でも感じていたのかもしれないが、加害者を作りたかったのだとも考えられる。

いずれにしても、とんでもない行動である。

第三者委員会への不満

本件はご遺族の希望によって第三者委員会が設置されている。

中間報告時に配布された資料によれば、第三者委員会の第1回目開催は、2018年6月10日である。自死からすでに2年も経っている。

ご遺族によれば、なかなか心が定まらなかったということであるが、信じていた第三者委員会にご遺族として様々な要望や疑問を伝えているが、全く応じてくれないという。

第三者委員会を設置したのは大島商船高専であり、その設置要項によれば、庶務は学校の総務課ということになっている。つまり、学校の関係者が、この委員会の庶務に関与しているのだ。

前述、いじめ自殺未遂事件においては被害者を守っていた同級生が不当な取り調べを受けたり、教職員から脅迫も受けている。これについては、騒ぎにならなくとも、生徒の間では周知の事実であり、学校が事務局をしているのであれば、正直な証言をしたところで、証言者が不当な扱いを受けると考えるのが自然だろう。

だから、重要な証言を持つ者が、自らの身分を守るために、正直に起きた事実を証言できない状況であるのだ。実際、この件について深く知っている生徒は、身分保証がされること、学校に自分が証言したことがわからないようにすることを証言の条件に出しているのだ。

ハッキリ言う。

隠蔽に走り、いじめ証言があったアンケートだけを紛失するような都合の悪い書面だけがなくなるような学校である。いじめから友人を守った子たちが不当な処分を受けたり、脅迫を受ける学校である。また、B君の死亡確認を当時同部屋であったいじめ自殺未遂事件の被害者である生徒が行なっている。理由は、彼の顔を知る教職員が居なかったからなのだ。管理もできていない、施錠も安全の配慮もない。実際、男子寮はタバコとお酒の匂いが充満している。

この一部が事務をしていたら、委員会自体の信用性に問題が生じる。

現代、2020年において、それまでの第三者委員会の結果が覆ることが多かったことを踏まえ、第三者委員会の事務は、学校などの関係組織が行うことはない。それは、学校の管理者としての責任などが生じ得るケースが多く、こうした不都合が起きると、第三者委員会の中立公平性や独立性を保つことができなくなるからだ。

中間報告の説明書類を見ると、2018年6月10日から2019年8月19日までの間の委員会開催は15回、聞き取りは学生19名、書面回答は4名、学校職員はわずか14名しかいない。

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