編集後記
第三者委員会報告からすでに1週間を超え、何もしない大島商船高専と高専機構には大いに問題がると感じています。いつになったら、この報告を公開し、処分を下すのでしょうか。
そのための第三者委員会であったはずです。
高専機構さんは、記者会見については随分ギリギリまでゴネてくれました。
おかげで、私が飛行機の予約を取れたのは2日前です。コロナのおかげで飛行機はガラガラでしたが、そんなに結果が気に食わなかったのでしょうか。
特に、いじめ自殺未遂事件の被害者を恣意的に留年させることに関与した教職員は、その事実を第三者委員会にも私も解明されているのですから、もはや教壇にたつ資格も人に物を言う資格もないはずです。学生の1年を奪った罪は重いです。
こんなことだから、いじめ自殺事件の証言者たちも話ができない状況になるのだと思いますし、長期間待たされているご遺族が、その程度の話を聞かされれば、不安と不満しか感じないのだと思います。
第三者委員会は文科省のガイドラインにもあるように弁護士さんや臨床心理士さんなどのいわゆる専門家で構成されることを推奨しています。このケースも同様の構成を成しています。
私はこの法の建て付けは大きな問題ではないが、職業を指すことにはその独自性や柔軟性を失う結果を招くと思っています。例えば、臨床心理士は心の専門家ですが、児童心理学が得意なのか、コミュニケーション論が得意なのかなど得手不得手があります。これは弁護士さんも同様。いじめ防止対策推進法について立法から関わっている弁護士と、単に研究をしていますレベルの弁護士さんでは、1つのことでも見解が異なることがあり、これが大きな問題になることもあるのです。方向性の角度が些細にも異なるとその先の角度から乖離が起こることがあります。
つまり、構成を推奨される職業はその道のプロという意味で、いじめについての専門家ではないということです。
調査を生業としている私からすると、「嘘が見抜けないんだな」とか「そこは再確認が必要」という視点の部分についても、入り込んでコミュニケーションから引き出す情報などを含め、なんでこんなことが収集できないのだと思うことが毎度のようにあります。
聞き取りや聞き込みなどは私には専門性があります。クライアント企業では内部で問題があったときの面接に私を呼ぶところもあります。それは嘘を見抜くためです。
調査という面でいえば、他の道のプロで社会的ステイタスがいかに高かろうが、知能指数が優れていようが、プロである私から見れば、お子ちゃまレベルです。
東京都の自死事件も然り、他のニュースになった事案も然り、私の調査によって第三者委員会の結果がひっくり返った事例はいくつもあります。
第三者委員会には補助員という枠があります。できればここに、元刑事や探偵などの調査を生業とする者を具体的に加えたらどうでしょう。それでだいぶ取れる証拠が変わるはずです。
いじめ防止対策推進法には確かに不足分があります。それは高専については努力義務になっているところです。小中高は入るのですが、特殊な高専はその枠から外れています。しかし、入学時は高校生と同じわけですから、先行して「高専」もその範囲にしっかり入れるべきだと思います。
また、高専は大学ような作りで、先生の中には教員免許を持っていない人もいます。職員室などはなく、教職員で情報を共有していくという空間がないケースが多いです。その特殊性は先進的な高専のカリキュラムなどの理由があれば仕方ないとは思いますが、少なくとも扱っている生徒の年齢も考慮し、一般の高校と同等の環境が守られるように教職員についてもその配置の配慮は必要なはずです。
いじめ加害者への処分や指導は、教育上必要なことです。高校レベルでは、退学処分は通常ある処分であり、これは予防効果もあり、特殊な高専であっても当然の処分と言えます。小学生・中学生のように義務教育で守られる存在ではないのです。
NHKスペシャルの撮影中、私から逃げ回った学校の幹部の方、これ以上、あなた方のちっぽけな保身と無能な指導の代償として、生徒たちの命や将来を奪わないでください。あなたが逃げるのは勝手だし、実際責任から逃れることは容易かもしれない。が、あなたを知る多くの生徒の記憶には残るのだ。真実は書き換えることはできない。その罪からはいつまでも逃れることはできないのだから。
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