妻が離婚調停で圧勝する「限界エピソード」の作り方。プロの答えは?

 

離婚調停で特に注意すべき「順番」とは?

このように、エピソードの優先順位を工夫することで、夫から離婚の同意を取り付けたのですが、調停の場合、先に離婚の可否、後に離婚の条件(養育費、慰謝料、財産分与など)を決めるという順番を守ってください。

夫が離婚を拒否しているのに、離婚の可否と条件を同時に進めると大変です。夫の希望する条件を受け入れない限り離婚できないので、夫が「退職金、貯金、家、何も分けてやらん!」などと無理めの条件を提示してきても、どうしても離婚したいのなら承諾するしかありません。

綾乃さんの場合、先に離婚を決定付けてから条件面を詰めたので、年金分割の按分割合は50%、自宅の売却益は折半、退職金と貯金は勤務期間と結婚期間の重複部分のみ折半という可も不可もない内容で折り合いがついたのです。

離婚寸前の夫婦の間に信頼関係は存在しません。

協議の段階で疑心暗鬼に陥っている夫に、いくら正論を言っても「あいつのことは信用できない」と一蹴されるだけ。これは妻だけでなく妻側の人間…両親や兄弟姉妹、友人や弁護士でも同じです。

そのため、調停の段階で中立の第三者に代弁してもらうことが効果的ですが、調停委員は妻との間に利害関係がないので適任です。

過去のケースを振り返ると、夫は「調停委員が言うなら」と、ようやく聞く耳を持ってくれることが分かるでしょう。

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露木幸彦この著者の記事一覧

行政書士の露木幸彦が夫婦の離婚、不倫、未婚出産、婚活の法律、交渉術、会話技術を解説明石家さんまさん司会のホンマでっかTV,ブラマヨさん司会の世界のこわ~い女たち、小倉さん司会のとくダネ、バナナマン設楽さん司会のノンストップなどに登場。11冊の著書を持ち累計部数は
5万部を突破。日本経済新聞、朝日新聞電子版では連載を担当。開業から16年で相談2万件の実績。

注)離婚手続に関する一般的説明や経済的観点から必要な離婚条件に算定を超え、個別事情を踏まえた離婚手続や離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

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【著者】 露木幸彦 【発行周期】 ほぼ 月刊

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