離婚調停で特に注意すべき「順番」とは?
このように、エピソードの優先順位を工夫することで、夫から離婚の同意を取り付けたのですが、調停の場合、先に離婚の可否、後に離婚の条件(養育費、慰謝料、財産分与など)を決めるという順番を守ってください。
夫が離婚を拒否しているのに、離婚の可否と条件を同時に進めると大変です。夫の希望する条件を受け入れない限り離婚できないので、夫が「退職金、貯金、家、何も分けてやらん!」などと無理めの条件を提示してきても、どうしても離婚したいのなら承諾するしかありません。
綾乃さんの場合、先に離婚を決定付けてから条件面を詰めたので、年金分割の按分割合は50%、自宅の売却益は折半、退職金と貯金は勤務期間と結婚期間の重複部分のみ折半という可も不可もない内容で折り合いがついたのです。
離婚寸前の夫婦の間に信頼関係は存在しません。
協議の段階で疑心暗鬼に陥っている夫に、いくら正論を言っても「あいつのことは信用できない」と一蹴されるだけ。これは妻だけでなく妻側の人間…両親や兄弟姉妹、友人や弁護士でも同じです。
そのため、調停の段階で中立の第三者に代弁してもらうことが効果的ですが、調停委員は妻との間に利害関係がないので適任です。
過去のケースを振り返ると、夫は「調停委員が言うなら」と、ようやく聞く耳を持ってくれることが分かるでしょう。
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