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うなぎパイがいい例。なぜ定番商品は「高級化」でさらに売れるのか?

世間で名の知られた商品は、その「高級版」がよく販売されています。例えば、浜松名物の「うなぎパイ」の高級版を観光地や百貨店などで目にしたことがある方も多いと思いのではないでしょうか。無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんは、定番商品の「高級版」に注目が集まる理由と、「高級」を打ち出すための秘訣についても紹介しています。

定番品のデラックス版は、注目を集めやすい

浜松名物の「うなぎパイ」はご存知だと思いますが、「うなぎパイV.S.O.P」という商品があるのをご存知でしょうか。通常のうなぎパイに、ブランデーの香りとマカダミアナッツを包み込んだ、デラックス版なのです。

うなぎパイはお土産として定番化している商品なので、新しいタイプが発売されれば、注目率が当初から高くなることは、容易に想像できます。お客さまが興味を持ちやすいのです。すなわち、市場への商品投入のハードルが低くなるのです。さらに、高級タイプなので利益率も高く、儲けやすいとも言えます。

こうした手法は、これまでにもたくさんあります。ドラマ・映画などをDVD化する際に、特典映像を盛り込んだ特別版。定番商品をグレードアップし、贈答用として販売するプレミアムギフト。小説・漫画などをマニア向けにした、豪華装丁版。

名前の知られた商品を豪華版・高級版にすることで、市場開拓の容易な新商品ができ上がります。新規参入という、もっとも難しいマーケティングが不要なのです。

また、商店経営においても、「高級版」を作ることで、効率経営が実現します。

商店経営において、もっとも重要だと言っても良いのが「仕入れ」です。より良い商品をより安く仕入れることができるかどうかが、利益確保を左右します。しかし、一番難しい課題でもあります。

高級店を営む場合は、お客さまの絶対数が少ないので、高い利益率で販売しなくてはなりません。そのためには、高額でも売れる商品を安く仕入れる必要があります。

低価格品を扱う場合は、薄利多売を成立させるために、なるべく大量の商品を一括で仕入れなければなりません。どちらの場合でも、個人商店では限界があります。

仕入れ先に、“無理を聞いてもらう”ことができないのです。

無理を聞いてもらうためには、「取り引き量を多くする」あるいは「取り引き額を高くする」しかありません。やはり、個人商店には難しいことですが。

ここで有効な手立ては、「多店舗化」もしくは「高級店&低価格店の2店舗展開」です。「多店舗化」は、単純に取り引き量が増えることで、仕入れ価格を安くすることができます。

しかし、もっと効率的なのは「高級店&低価格店」です。同じ仕入れ先で、高級品と低価格品を一緒に仕入れます。仕入れ先にとっても利益率の高い高級品を仕入れることを条件に、低価格品をさらに安くしてもらうことができるようになるのです。

しかも、一括で仕入れた商品を1店舗で売るのではなく、高級店と低価格店に分けて販売するのです。2つ同時に存在すると、低価格品ばかりが売れてしまいます。高級品は、それなりの佇まいのお店でなければ、高くは売れないのです。なので、2店舗展開にすることが必要なのです。

一括仕入れした商品を“売りやすい場”、適切な価格で販売します。これが、利益率を高める方法です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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