なぜ世界のクロサワは真夏のシーンを真冬に撮ったか?黒澤明の仕事術

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去る9月6日は、日本が誇る映画監督・黒澤明氏の命日。数多くの逸話を残した「世界のクロサワ」ですが、代表作のひとつ『天国と地獄』の真夏のシーンを敢えて真冬に撮影した理由をご存知でしょうか。常人ではとても思いつかないようなその訳を、無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』著者の倉橋竜哉さんが紹介しています。

才能の引き出し方

個人的には「天国と地獄」が好きな倉橋竜哉です^^;

「でも夏に撮影したら誰も工夫しないだろう」と言っていたのは、世界のクロサワでして、9月6日は、映画監督の黒澤明さんの命日でした。言わずと知れた「世界のクロサワ」ですね。9月6日…つまりク(9)ロ(6)の日が命日なので、毎年この日が来ると思い出してしまいます。1998年に88歳で亡くなられました。

クロサワ映画の代表作といえば…ありすぎてどれを挙げたら、いいのかわからないですね。あえて言うなら『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『悪い奴ほどよく眠る』などでしょうか?

世界の映画関係者に影響を与えたと言われ、『スターウォーズ』『レイダース』『未知との遭遇』『ゴッドファーザー』…etc. いろいろな有名映画にもその片鱗が見られると言われています。

私もクロサワ映画をいろいろ観ましたが、印象的なものに『天国と地獄』があります。身代金目的の誘拐事件がテーマであります。モノクロ映画なのですが、劇中である場面だけカラーの所があり、そこが鮮烈に記憶に残っています。

この『天国と地獄』の撮影には有名なエピソードがありまして。舞台設定は「真夏」なのですが、実際の撮影は「真冬」に行なわれたそうです。そのため出演者は、演技に大変苦労されたとのこと。たとえば、寒さで吐く息が白くならないように、口の中に氷を入れて撮影に臨んだこともあったそうです。

ある出演者が黒澤監督に「なぜ夏に撮影しないのですか?」と聞いたところ、監督はこう答えたそうです。

「寒い冬に夏のシーンを撮影すれば、どうやって暑く見せようか頭を使って工夫するだろう。でも夏に撮影したら誰も工夫しないだろう」

暑く見せるという演技を引き出したくて、あえて真冬に撮影を行なったとのこと。

このエピソードを聞いたとき「これが世界のクロサワと言われる所以か」と驚いたのを覚えています。ここまで徹底してやるからこそ、役者さん、演出家その他関係者の才能を引き出すことができるわけです。

確かに、何も問題なく過ごせていれば、日常の中で頭を使うことは少なくて済むでしょう。でも、目の前に大きな困難や課題があるときは、頭の中はフル回転しますよね。

頭は使えば使うほど、その能力が引き出されます。聡明な方、頭の回転が速い方というのは、生まれつき頭が良いということではなくて、普段から頭を使うことが多い、つまりいろんな課題にチャレンジしている証しなのではないでしょうか。

黒澤監督は、役者や演出家、あるいは関係者の才能を引き出す「天才」だったわけですが、もしあなたが、あなた自身の才能を引き出す「天才」だとしたら…一体どのように自分と接しますか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どうすれば才能は引き出されますか?」

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