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コロナ下の「Zoom商談」で売りまくる営業マン、マニュアルの中身とは?

新型コロナウイルス感染拡大を受け、リモート営業を導入する企業が増加していますが、従来の営業とはあまりにかけ離れているため戸惑いを覚える方も多いようです。そんな状況にあって、リモート営業でコンサルタント契約を多数獲得しているというのは、営業実務コンサルタントの島田安浩さん。島田さんは無料メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』で今回、自身が用いるシナリオや資料の作り方、トークの進め方を公開しています。

Zoomを活用したリモート営業 シナリオ作成のやり方とコツ

さて、オンラインで営業を行う場合の、シナリオの大枠の組み立てからお話しします。

1.プリフレーム

まず、抜かしてはまずいのが、「プリフレーム」です。何に関して話をするのか?ゴールはどこなのか?今回のオンライン営業の大枠をお客様にお話して、承諾してもらいます。

2.自己紹介

オンラインで初めて出会った場合は特に、キチンと自己紹介をします。ただ、オモシロ、おかしくやってから、自分のコアの部分まで話を出来たら出来た方がいいでしょう。

3.ヒアリング

お客様の症状を確認します。あくまでも、お客様はシロートなので、現状の症状を聞き出すイメージです。

4.天国と地獄

お話しを聞いて、天国と地獄を見せます!

お客様の意思を確認します。

5.評価(診断)前の再確認

専門家として、問題点を明確にするために、必要な質問をします。症状を聞いたうえで、医者が診断するための質問というイメージです。

6.評価(診断)

問題点を明確にする。

7.改善方法(治療法)

プロとして、明快な解決方法を示す!ここで、「それは凄い!」って成れば決まります。よく分からないと決まりませんので、ご注意ください。

8.証拠の提示

実際に他のお客さんで、どんな実績が出ているのか?本当に改善しているのか?お客さんに、近未来を見せることが出来るかどうかです。

9.料金提示及びクロージング

十分にベネフィットが伝わってから、料金提示をしてください。ベネフィットが伝わらないまま、料金提示すると、料金で判断されるので決まらなくなりますので、注意ください。そして、即クロージングをしましょう!相手が決裁者なら決めきってください。

以上が大枠になります。

細かな部分の作り込み

この大枠を理解しないまま作成すると失敗します。私も、カウンセリングセールスのやり方を理解しないままやっていた時と、キチンと理解して作り込んでからでは、決定率が雲泥の差です!20%から80%に向上しました。

同じように、オンラインでもカウンセリングセールスのシナリオを活用しながら、よりオンラインに合わせていく必要があります。具体的に、大きな流れに沿って、実際の作り込み方などをご紹介します。

1.プリフレーム

まず、お互いに顔を最初に合わせて挨拶をしてから、このプリフレームを実施します。私の場合は、こんな感じでお話しします。

「まず、2点確認なのですが、今日は限られた時間なので、お話しをお聞きして、私がプロとして問題は何かを明確にするのをゴールとさせていただきます。よろしいですか?その上で、私が行っているコンサルで改善できる場合だけ、詳しい内容をお話しさせていただきます。それで、大丈夫でしょうか?」

このように、プリフレームを行います。プリフレームを入れないと、話しが取っ散らかってしまって、収拾がつかなくなったりします。

また、お客様もそれに沿って会話をして貰えるので、このプリフレームは非常に重要なので、抜かさないで実施しましょう。

2.自己紹介

プリフレームの次に、スライドを画面に映して、まず、私の場合は、自己紹介からスタートします。理由は、アメリカでのある大学での調査に由来しているのですが、同じ人が同じ内容を話しても、自己紹介で権威や経歴を示した場合と、行わなかった場合では、明らかに参加者の評価に違いが出たそうです。人間は、権威や経歴に弱いんです!(笑)

だから、必ず、自己紹介を最初にスライドを使用して実施します。実はここで、細かな細工を施しています。あまりバラしたくないのですが、特別に紹介します。

私の経歴って「凄い」です。自慢じゃないんですが、二度も株式上場をした人って、あまりいないです。しかも、二度目は創業の取締役です。そういう話をして、「凄い人」と思ってもらってから、自分を落とすシナリオになっています。

と、ドンと落としてから、だから、コンサルをやっているんだ!と、非常にオープンマインドの話を挟んでいます。まあ、あまり話したくない内容を披露することで、オープンマインドになってもらおうという、小細工をしています。その上で、「あなたにも、簡単に自己紹介をお願いします」と言うと、結構、ぶっちゃけて話してもらえます。

3.ヒアリング

ヒアリングですが、私の場合は、事前にメールでオンラインコンサルを行う前に、聞きたい内容を送ってもらいます。それを、ワードに入力しておきます。その上で、私が更に聞きたい内容を赤字で記入して、下準備を行った上で、行っています。

スライドからヒアリングに移る時には、スライドを一旦止めて、ワードで作成した、ヒアリングシートを画面に出します!ここで、内容を共有することが出来るのです。事前に、メールで送ってもらった内容をワードに入力しておくと、お客さんのそれを見て確認できますし、キチンとしている印象も与えるので、効果的です。

以前は、A3サイズのホワイトボードで行っていたのを、オンラインの場合は、ワードで行う形です。まあ、最初はホワイトボードに書いたんですが、オンライン営業ではダメです!全く見えにくいので、見てもらえないし、書きにくいし、…最悪でした。それで、ワードを使ったらビンゴ!これは、非常に効果的なので、あなたも、ご利用されることをおススメします。

4.天国と地獄

ヒアリングシートに現状を書き出して、現状の評価をプロとして行います。私の場合は、非常に明確なんですが、営業マン一人当たりの月の粗利額です。

「最低100万円」

これが基準です。切っていればヤバいです。80万円を切っているようなら、赤字経営になっている可能性があります。まあ、人数にもよりますし、地代家賃がかかっているか、そうじゃないのかによっても変わってきますが、これは、FCを指導していた時から基準にしてきました。ただ、文具屋さんの場合は、店の粗利やネット販売の粗利など混ざって来るので、少々面倒ですが、ザックリ100万円無いと、思うような経営は出来ないです。

そして、評価をしたうえで、「この先、3年、5年とこのままで大丈夫ですか?」と、聞いてみます。普通の場合は、これが地獄になります。経営者の多くは、現状のままでイイ訳は無いと思っています。ドンドンネット社会に成れば、悪く成ることはあっても、良くは成らないって思っています。

次に、どうなりたいか確認します。これが、天国です。その人にとっての夢や目標です。明確にしてから、「行動しますか?」とコミットしてもらいます。テストクロージングにもなりますが、本気度を確認しないと、この後、話しをする意味が無くなります。

5.評価(診断)前の再確認

そこから、診断に入っていきます。これも、ワードで行います。2ページ目に、事前に作成して、そのページを出して、順番に診断するための質問をします。ここでは、本人が問題だと思っていることは、症状でしかないので、それに引きずられないようにしましょう!例を出すと、

「社員が売れないのが問題だ!どうすれば売れるのか?」

こんなのが良くあります。そのままだと、社員を売らすための方法を考えてしまいます。でも、それは言い訳であり、症状を言い訳プラスで言っているだけです。単純に、粗利額が少ないのが問題です。それを、自己正当化して、社員のせいにしているだけです。まあ、非常に多いです。

この場合、粗利額が少ないのは、何が問題なのか?病巣がどこにあるのかを探る必要があります!そこを、突き止めるための質問を行うので、1ページ目とは、質問内容が異なってきます。決して、症状に引きずられないようにしましょう!

6.評価(診断)

その上で、何が根本原因なのかを診断します。再度強調しますが、表面的な問題を解決しないようにしましょう。

先ほどの事例だと、部下指導に焦点を当てても、何も改善しません。そもそも、仕入がダメだったとしたら、どんなに頑張っても、ネット社会では売れないです。また、売れる仕組みが無い可能性もあります。個別にA君を指導しても、A君が退社したら意味が無いです。

このように、症状だけ、表面だけの対応では、何も改善されないものですし、それでは、プロとして失格です。

7.改善方法(治療法)

ここに移る前に、大前提というか、分かり切った話しをします。あなたが解決できる問題以外を診断してはダメだということです!あくまで、オンライン営業です。慈善事業では無いので、当たり前ですが、ここはキチンと確認ください。

「それは、恋愛感の問題です!」なんて診断したら、「恋愛コンサルにご相談を、…」って、意味不明ですよね…。そこを踏まえた上ですが、問題点があなたの商品で改善出来るものであれば、ここのフェーズでは、商品説明を行う形になります。

私の場合であれば、コンサル内容をご紹介します。ここでは、スライドに戻って、画面を見ながら話を進めます。明確で、分かり易い方がいいです。また、私の場合は、デモンストレーションを行って、どのように凄いのかを見てもらうようにしています。

8.証拠の提示

そして、自己紹介でもご紹介をした、クライアントさんの実績を再度ご紹介します。

私の場合ですと、代表的なクライアントだけではなく、この1年の実績をまとめたものをお見せして、いい所だけではなく、全部が、多かれ少なかれ実績を出しているのを、包み隠さずご紹介します。

なぜ、実績が出るのか?なぜ、実績に差が出るのか?行動した人は実績が多く、行動しない人は低い、あなたは行動しますか?と、ここでもコミット(テスクロ)を行います。

9.料金提示及びクロージング

その上で、料金提示に移行しますが、私の場合は、ここに移行する前に、競合他社を消します!まあ、ほぼ大手企業です。

こんな質問をして、ドンドン、他社を切って、私だけが残るようにします。その上で、金額を提示します。この金額の提示も、先に価値を金額化します。

  1. ○○なので、○○円
  2. ○○なので、○○円
  3. ○○なので、○○円

…というように価値を価格計算します。そして、トータル○○円の価値があります。「そこで、○○円に決めました!」と一旦、金額を提示します。

そして、その○○円の妥当性を評価します。

平均○○円の実績だから、○○円は安い!と、評価を行ってから、ただ、本気で○○さんが取り組んでくれるなら、今日だけの特別価格をご用意しました。と、急がせるクロージングを使います。そして、特別に本日中にお申込みの場合に限り、○○円にします!(値引というサービスを使っています)

と、急がせるクロージングとサービスを利用するクロージングを活用したうえで、絞り込みを行います。

「申し訳ございません。2つだけ条件があります」とか、「後、1社で締め切りになります。他も2社これから会うので、…」とか、こんな絞り込みを行います。これは、機会損失をお客にイメージさせるので、焦る感じになります!

その上で、「○○さんどうされますか?」と、確認します。考えているようなら、

「悩まれている点があれば仰ってください。一緒に解決しましょう」

こんな感じでクロージングをしていきます。かなりの決定率で決まります。

image by: Shutterstock.com

島田安浩(営業コンサルタント)この著者の記事一覧

最初売れない営業マンだった私が、売れるようになり、日本でトップセールスに登りつめ、経営者として株式公開した。その営業ノウハウを、売れる営業の常識と売れない営業の非常識と言う観点で分かり易くまとめた。

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【著者】 島田安浩(営業コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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