松本人志にYouTuberが勝てぬワケ。「笑ってはいけない」企画の本質とは?

 

世帯視聴率と個人視聴率(メルマガ第191号)

「年齢性別関係なく、みんなが楽しめる番組」の難しさ

最近、各局によって視聴率の見方が全然違っていて、局をまたいで仕事をしている我々フリーランスは若干困惑しています。

というのも、昨年から若者のテレビ離れを脱するため、これまで視聴率の指標であった世帯視聴率から個人視聴率に重点をおくようになったからです。

簡単に言うと、世帯視聴率は視聴率を世帯別にカウントした指標。4人家族の家でテレビがついていた場合、4人が見ている計算になります。これは「テレビは一家に一台」、昭和の名残です。

それに比べて個人視聴率は名前の通り、視聴率を個人別にカウントした指標。より正確な人数が算出されるようになります。

では、個人視聴率に重点をおくようになり、具体的にどのような違いや特徴がでてくるのでしょうか。

まず、「家庭内のチャンネル権」は関係なくなります。なので、「アニメは子どもが見れる夕方」とか、対象が明確な番組を配置するタイムスケジュールは崩壊していきます。

個人視聴率で求められるお題は「年齢性別関係なく、みんなが楽しめる番組」です。どの局も上記課題を掲げるのですが、現場からすると「そんな番組が明確に作れるなら苦労してねーよ」です。

若者は、おじさんの「面白い」に付き合ってくれない

ここからは方法論になるのですが、どうやって年齢性別関係なく楽しめる理想の番組に近づけるか?

まず、視聴者を簡易的に2つに分けてみます。「若い世代」と「年配世代」。

おじさんは若いものが面白いと言っているものを見ようとはします。しかし、若者はおじさんが面白いと言っているものを見ようとはしない。

この考察から言えることは、若い世代向けの番組に年配を引っ張り込むことはできるけど、年配向けの番組に若い世代を引っ張り込むのは容易ではない、ということです。各番組がお笑い第七世代を使いたがっている現状はこれが大きな要因。

その考察に「男性」「女性」の軸を加えてみます。年配女性が若者男性の番組に興味は示すけど、年配男性が若者女性の番組に興味をしめすことはないと予想できる。

そうなった時、引っ張りこめるベクトルを流れにした時に、最も流れが集まりやすいのは若者男性向けの番組。

だからといって若者男性向けの番組を作れば良い!と断言できるレベルではありませんが1つの傾向になるとボクは考えています。

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