「一発屋」な商品を大事に守り続ける企業が陥る巨大な落とし穴

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大昔に売れた商品や当たった事業を改善や革新を行わず、ただただ継続してしまう企業は多くあります。なぜ、昔のものを守っていくだけではうまくいかないのでしょうか? メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では著者の浅井良一さんが、松下幸之助やドラッカーなどの言葉をヒントに「革新」について語っています。

なされるべきこと

歌手や芸人で、一発歌手や一発芸人と呼ばれる人たちがいます。ある時期に一気に頂点を極めて人気者になるのですが、ところがそれ以上のものは生まれずに、その時期はあっという間に過ぎてしまいます。もちろん演歌歌手などであれば地方回りで結構お呼びがあり、一発だけでも結構それやりにやっていけるようです。

これと同じでと言えば語弊があるのですが、当たった事業をそのまま続けて、まったく改善、革新せずに窮地を迎える企業が多くあります。初代が、機会をつかみ果敢に挑戦して事業を興隆に導きます。そしてその事業を受け継いで、二代目、三代目が事業が引き継ぐのですが、安定がとうぜんだとして変化せず多く衰退して行きます。

“万物流転の法則”ということを、ホンダの藤沢武夫さんがしきりに言っていました。

「世の中に万物流転の法則があり、どんな富と権力も必ず滅びるときが来る。しかし、だからこそ本田技研が生まれてくる余地があった。だが、この万物流転の掟(おきて)があるかぎり、大きくなったものもいずれは衰えることになる」

また松下幸之助さんを引っぱり出します。こんなことを。

「この社会はあらゆる面で絶えず変化し、移り変わっていく。だからその中で発展していくには、企業も社会の変化に適応し、むしろ一歩先んじて行かなくてはならない。それには昨日より今日、今日より明日へと、常によりよきものを出していくことである」

「変化、流転」に抗し適応させるものは何なのか、もとより改善は日常業務であって行く末を保障するものではありません。それを可能にする機能こそが、唯一“イノベーション(革新)”です。

インベーション(革新)は“最大の経営資源である人”とともに最も基幹であるにもかかわらず、同じように理解されていません。ために企業は機会を失って、ごく普遍的に衰退へと向かいます。何故ならそれが安易でないからで、自家薬籠中の物として実現するには、本質に対する深い認識と実行においての跳躍力が必要だからです。

とここで大見えを切ったのですが、ではイノベーション(革新)に取り組もうとなると大方の経営者は途方に暮れると思います。そこで、これから「どのように心構えをもって、どのように考え、どのように計画し、どのように実行して行くか」考えて行きます。一言言うならば優良企業でさえ、失敗しながらも実行しています。

困難を知るものだけに、知恵と覚悟を持つ人にだけに、機会は訪れます。

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