「一発屋」な商品を大事に守り続ける企業が陥る巨大な落とし穴

 

これからイノベーション(革新)とは何なのかを探ります。ドラッカーはこう言います。

「すべてを捨てるわけにはいかない。それでは無秩序になる」
「すべてを保つわけにはいかない。それでは死滅することになる」

継続と変革のバランスが問題なのだと。しかし多くが「すべてを保って、死滅の道を歩む」の現実です。

ドラッカーは、イノベーション(革新)を行う前提を提起しています。それは製品さらに事業の廃棄についてのもので「もし、まだその事業を手がけていなかったとして、今日その事業を始めるか」「もし、ノーならば、どうするか。いつ行うか」で、「競争相手によって陳腐化される前に、廃棄することを選ぶ」とします。こんな極論も言っています。

「新製品を開発したその日に、それを棄てる日を決めておかなければならない」

さらにこんなことも。

「死体を腐らせないことほど面倒で難しいことないという諺がある」と前置きして、「ところが、古い製品が今日も売り上げをもたらしているので、多くの企業がただひたすらに古い製品を腐らせまいとして、時間とエネルギーと人材という貴重な資源を浪費している」と言うのです。

なぜそうなるのかについて、解説もしてくれていて、「どうしてこれほど多くのリーダーが挫折するのか。原因は二つある。第一は、なされるべきことではなく、なしたいことを考えるからだ。そして第二に、コミュニケーション、すなわち理解しあうには膨大な時間と努力を必要とするからだ」と言います。

挫折して行く原因ついて、ドラッカーの言葉を参考に推測します。

「あんまり大きなことを考えるな、身の丈を考えて楽をしよう」
「親から受け継いだものだから、大切に守ればよいのだ」
「金のためにやっているのだ。客のことなど考えるな」

この類はよく聞くのですが「これはなされるべきこと」なのがどうか。

「なされるべきこと」とは何かを、私なりに列挙してみます。

・なすべき価値がある
・自分に強みがある

を前提として

・顧客視点(アウトサイド・イン)で考える
・大きいことを考える
・誰もしていないこと、しないことをする
・チャレンジする

となり、ドラッカーが言うには「ワクワクドキドキできる仕事」となりそうです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 浅井良一 【発行周期】 ほぼ週刊

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