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プロの若き失敗。営業先で客から「失礼だ!」と激怒された理由とは?

営業マンにとって必須のスキルと言われるのが、雑談力。「営業は雑談が9割」と言われることもあるなど、とかく重要視されています。今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、まさに「身をもって知った」という、営業における雑談の重要性を、失敗談とともに記しています。

付加価値のあるところ

今でもたまに営業に行く倉橋竜哉です^^;

「いきなりそんな話をするなんて失礼だ!」と初対面の相手を怒らせてしまったのは、私が20代の頃のことでして、当時、知人と共同で作った会社で営業担当をしておりました。肩書は「営業部長」であります。3人の会社なので、営業部には私1人しかいませんでしたが(笑)。

それまで営業の経験があったのかというと、まったくなく、むしろプログラマやメーカーの製造現場など営業からは遠い仕事をしておりました。仕方がないので「営業マンの心得」みたいな本を読んだりビデオ教材を見たりしていました。

そういった本やビデオによく出てくる言葉で、イマイチ理解できなかったのが、「営業は雑談が9割」ということでした。お客さんのところに行って、いきなり本題に入るのではなく、その人の趣味や家庭の話を聞いたり、とにかく雑談をして人間関係を築きなさい。そうすれば、売上は後からついてくるから…とのこと。

いやいや、お客さんもそんなヒマじゃないだろ?

要件だけ手短に伝えてもらったほうが、時間が節約できて嬉しいんじゃない?

営業する側からしても、1件あたりの時間を節約できたほうが、件数を回れるし、何よりも「買うかどうか」を考える時に、その商品やサービスの質や値段については検討するけれど、営業マンの人柄で買うかどうかなんて、左右されることなんてないだろう…と思っていました。

ある時、当時プライベートでお世話になっていたお姉さまから「興味がありそうな人がいるけど、紹介しようか?」という連絡が入りまして、「ぜひお願いします」と返答したところ、数日後に近所のロイヤルホストで一緒にお茶をすることになりました。

その当日のこと、紹介していただいた、私の父ぐらいの年齢の男性とお姉さま、そして私の3人で席につきました。男性は忙しい中、わざわざ時間を作ってくれて足を運んできてくれたようでした。こりゃ、手短に済ませたほうがいいだろうな、雑談なんかしている場合じゃないだろうな、…と思いまして、名刺交換をして、ウェイトレスさんにコーヒーを3つ注文して、いきなり商品説明に入りました。

当時、飲食店などの開業支援サービスを提供していたのですが、水とおしぼりしか乗っていないテーブルにカタログを広げまして、相手の事情もろくに聞かずに、カタログに書いてあることを読み上げていきました。

注文したコーヒーがテーブルに来る前だったのでものの数分だったと思います。「いきなりそんな話をするなんて失礼だ!」と急に相手が怒りはじめまして、お姉さまが「まーまー」となだめてくれたのですが結局その男性は席を立って帰ってしまいました。

何がまずかったのかよくわからず、ポカンとしていると、お姉さまいわく、「いきなり、あの切り出し方はまずかったわね」とのこと。世間話の一つでもして、相手の事情をよく聞いて、それから「提案」という形で説明しなさい、と。

彼女は、もともと生命保険の営業をしていて、その当時は中古車の販売会社に勤めていました。その後も、説教というか子どもに諭すように営業のイロハをいろいろ教えてくれて、いかに世間話や雑談が大事なのか?それが出来ないなら、営業マンなんていらないしカタログ通販にすればいい、とまで言われました。

せっかく紹介してもらったのに、お姉さまの顔に泥を塗ってしまうようなことをしてしまい、自分の不甲斐なさに凹んで、ただただその話を聞いておりました。テーブルに置かれた3つのコーヒーのうち、お姉さまが飲んだカップ以外は、全く手がつけられず、会計をして退店しました。あれからウン十年経ちますが、今でも当時のことを思い出すと、お腹がキリキリしますな(汗)。それから、できるだけ営業先では世間話や雑談をするようになり、

自分もいろんな営業を受ける立場になったりして買ったり、買わなかったり、腹が立ったりして、いろいろ体験してわかったのが、世間話や雑談って、単にお世辞やおべんちゃらを言って相手を喜ばせたり、仲良くなって義理や人情で「仕方ないからこの人から買ってあげよう」と思わせるだけでないのだなと。

スペックや価格のカタログ情報だけで買えるものであれば、アマゾンやアスクルで買えばいいですが、営業マンなど人を介して買うものには、やはり理由があって、商品やサービスを買うだけでなく、営業マンや会社との信頼関係をも合わせて買っているわけです。この会社、この人だったら大丈夫だろう、と。

信頼関係という付加価値を生み出しているのが、何気ない雑談や世間話であり、その付加価値って、意外と馬鹿にできないぐらいの購買判断の大きなウェイトになるのだな、と。

これをお読みのみなさんも、商品のスペックや価格だけでなく「営業力」で財布のヒモを緩めたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。

なぜ営業力で買ってしまったのでしょうか?そこには、どんな「付加価値」がありましたか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どんな付加価値がありましたか?」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 倉橋 竜哉(日本マイブレス協会) 【発行周期】 毎朝コツコツお届けします

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