テレビ制作者が解説「ワイドショーで芸人がコメントをする」深い理由

 

変わりつつある芸能人の「嫁」紹介(メルマガ第193号)

鬼嫁自慢は今どき流行らない

ひな壇によるトーク番組のトークテーマでよくあるのが、「聞いてください俺の嫁」です。

定番のトーク「嫁話」。芸能人の嫁と聞いて真っ先にイメージするのが「鬼嫁」ではないでしょうか?

特に芸人さんの「嫁さんは怖い」。その理由は簡単で「鬼嫁でないと笑い話にならないからです。なので、実は鬼嫁でないけど、あえて鬼嫁として紹介している人も事実います。

「嫁が怖い」の逆は「嫁が優しい」になるわけですが、それは結果として「のろけ話」になってしまい、特に芸人さんなんかは視聴者が「鼻につく」ことを懸念するので、あえて鬼嫁にしているところが多いと思います。

しかし、その常識が昨今変わりつつあると感じています。如実に出ているのがSNSです。

SNSでは嫁への批判コメントよりのろけに近い肯定コメントの方がいいねが多い傾向にあります。そして、それにより芸能人の中でも「嫁の素敵なところ言ってもいいんだ!」となっています。

おそらくその理由は「芸能人一般人の距離感に変化が出ているから、だと分析しています。

インタラクティブなSNSの影響で、もともと雲の上の存在であった芸能人が今では非常に身近な感覚になっているから、友達とまでいかないけど「芸能人もカメラの前でないときは普通の人なんだな」という感覚が世間に広まっているのだと思います。

それはもっと深く考察すると、芸能界という幻想神話が崩れていっているということになります。

ジャニーズがSNSを懸念する傾向にあるのも本質はそこにあります。

これはエンターテイメント論や宗教論になってくるのですが、幻想は幻想であるからこそ吸引力があって信じれるものであって、幻想が現実に近づいてくると、本質的なものを見失う可能性があります。

芸能人のユーチューブなどが盛んですが、所詮、幻想を切り売りしているに過ぎません。今後、芸能界という幻想はどうなっていくのでしょうか?

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テレビはどうやって作られているのか? 現在フリーのテレビディレクターが 16年間のバラエティ番組制作の経験の中から 具体的なテレビ制作のノウハウや手法をここに記していきます。 これからテレビ制作の現場につきたい人。 これから番組に出て爪痕を残したいタレント志望の人。 微力ながら、そんな方のためになることができたら本望です。

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