バイデン不況は来るのか?
バイデン政権の政策として、インフラ投資、再生可能エネルギー整備、ハイテク企業の独占禁止法適用、法人税の増税、富裕税の増税などという政策を出している。
米国市場は、楽観的な見方をして、インフラ投資が膨大であるので、株価は上がるし、反対にコロナ下で企業が苦しいので増税はできないし、米中対立でハイテク規制もできないと高を括っている。
しかし、急進左派のウォーレン女史やバニー・サンダースが民主党にいて、この人たちの影響がどこまで政権に反映するのかが、わからない。財務長官はブレナードFRB理事になるのかウォーレン女史になるかで大きく違うことになる。
もし、ウォーレンが財務長官になったら、株価は大暴落になるとみる。これをウォール街も無視はできまい。
しかし、ブレナード財務長官になっても、法人税の増税は政権発足と同時に行うとカラマ・ハリス副大統領候補は前回の討論会で述べているので実行することになる。
バイデン候補も第3回討論会でも、「株で儲けて、生活する人は地元にはいない」と言っている。法人税の増税などの株価に影響する政策を示唆したように感じている。
法人税を21%から28%に増税すると、企業の収益は落ちるとされている。ということで、インフラ投資に浴さない多くの企業が減益になる。どこでバイデン不況を市場が織り込むのかが見物である。
菅政権の財政金融政策
コロナで企業業績が落ち、日本人の所得が減少して、それに伴い消費支出も減少してきた。このため、物価も下落してデフレ状態になっている。このままにすると、日本は再度、深刻な景気後退を招いてしまう。
GoTo政策は、著しい低下にあるサービス業・飲食業を助けるためであり、それ以外の多くの企業を助けていない。勿論、これも行う必要があるが、それだけでは不足している。
本来は、景気の良いときに金利を上げておいて、この局面で金利を下げる金融政策をするべきであったが、安倍政権は、景気の良い時も金利を上げずに、ゼロのままにし、また、金融緩和政策も量的緩和を長期に行ってきたことで、PERやPBRなどで制御しないETF買いなどをしたことで量的緩和も限界点に来ている。
このことは、再三再四注意したが、安倍政権と黒田日銀は無視してきた。その報いが現時点で出ている。このため、金融政策面ではできることがない。
よって、できることは財政出動政策しかないことになる。所得減少の原因は、企業業績が落ちたことによるので、デジタル化に必要な公共投資や民間会社への劣後株取得をしたり、中小企業や地方銀行の再編を促進するためや、一時的に業績が落ち込む空運業などに、資本注入などを政府が積極的に行い、そこで発行する国債を全額日銀が買い取ることだ。日銀法の改正が必要になる。
もう1つが、これらの効果は徐々にしか現れないので、即効果のあるのは、国民全般にもう1回、特別給付をすることであるが、これも複数回はできない。毎月の特別給付では急激な通貨量の増大になるのでインフレを起こす。
抑制した通貨量の増加にして、インフレの可能性も少なくするしかない。需要が減少する人口減少でのデフレ圧力と通貨量を急激に増加させないことでインフレを抑止するしかない。もう1つが、日本は、衰退モードに現時点はあるからだ。
衰退を止めるには産業政策が必要であり、菅政権は、デジタル化という産業政策を行い、衰退を止めようとしている。
それに対して、米国は、国民全般に広く毎月給付をするような通貨量を急激に増大させる政策をとるので、インフレの可能性が出ている。米国は、もう1つ、人口が増加してインフレ圧力が元からあるので、それに輪をかけることになる。
このため、米国は、国債金利上昇でインフレになり、国債に頼る財政政策ができなくなるために、スタグフレーションを起こしてしまう危険性も感じる。米国の衰退は、意外と早いような気もする。これに伴って、インフレからドル安円高になる可能性もある
このため、バノン氏が言うように、4年後に、再度トランプ氏が大統領になる可能性も否定できない。
さあ、どうなりますか?
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