最悪のシナリオ。「バイデン不況」で4年後にトランプ再登場の悪夢

 

バイデン大統領の対中政策

23日に第3回目の大統領選挙の討論会が行われて、FOXはトランプが勝ったと言い、CNNはバイデンが勝ったと言っている。要するに5分5分ということのようである。

大統領選挙は進行中で、混雑回避のために期日前投票も4,750万人がしていて、既に9割の人が投票先を決めている。期日前と郵便投票で8,000万人が投票するという。米国の投票者数は1億5,000万人であるから、約半分の人が投票日前に投票するということになる。そして、フロリダ州ではすでに開票が行われている。

その動向から既存のマスコミは、そろってバイデン勝利の予測を出している。

このため、、米大統領選挙でトランプ再選なら、今の政策が継続になり、対中強硬策が継続していくことになるが、バイデンが大統領になったら、どうなるのか心配になる。

選挙中は、国民の多くが対中強硬策を支持しているので、バイデン候補も対中緩和策は言えない。しかし、息子のハンター・バイデン氏は中国企業との関係が緊密であり、中国政策をオバマ元大統領時代の関与政策に戻すとも指摘され、中国ハイテク企業への制裁が解除されるのではないかとも言われている。

この時、日本は対中政策をどうすればよいのか、今から検討する必要がありそうだ。トランプ大統領も去年までは、対中政策を自国優位な関与政策であり、日本も中国との関係を友好的にしていた。

バイデン大統領が関与的対中融和政策をとるなら、これに、戻すしかない。よって、今はバイデン有利となり日本の政策も、どちらでも行けるように調整する必要が出ている。

現にドイツはバイデン勝利とみて、対中政策を友好的にした。米国次第で、日本も自国の政策を変えるしかない。日本は、台湾と違って中国敵対で前に出る必要もない。中国の行動で対応を調整することだとみる。

日本企業の多くは、中国ビジネスでの売り上げが多く、中国工場の利益率も高い。このため、企業経営者の多くは、日中友好を掲げている。二階幹事長もその日本企業の意見を基に親中的な発言をしている。

しかし、習近平国家主席は、おいそれと戦狼外交という対外強硬外交を止めることはできない。国内の親米派王岐山副国家主席などとの闘争で、欧米に甘い顔ができない。海外に敵を作り、国内の愛国心を盛り上げて、経済的な苦境を乗り越える必要があるためだ。

このため、台湾やインド、日本への軍事的な圧力を緩めるわけにはいかない。この状況では、エスパー国防長官も台湾海峡や南シナ海に軍事的に対峙するしかない。しかし、中国の兵器拡充の進展で、米国も軍事的にはこの海域には近づけなくなっている。

ということで、米国の軍事的な状態は、アジアシフトをするしかない状態である。バイデン候補は、軍産学の複合体の利益代表者でもあり、米軍の意向を反映する必要がある。エスパー国防長官をトランプ大統領も止めさせることができなかったように、軍部の意向をトランプでさえ拒否できなかったから、バイデンなら、なおさらである。

ということで、バイデン大統領でも、当初は対中政策は融和的になる可能性があるが、中国の対応が変化しないなら、米国も対中強硬政策に戻るしかない。

しかし、それに要する時間がわからないので、ドイツと同様に、日本も慎重な対応をするしかない。

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