「仕事は盗め」が新人をダメにする。勘違い“ホーチング上司”の問題点

 

コーチングの前にまずはティーチング

もしも自分が新入社員の立場であれば、まずは言われたことをちゃんとやり、ベースになる能力を身につける。上司も部下をティーチングしてからコーチングする。たとえば、「○○君、この仕事をどうしたらいいと思う?」「今、起きている問題で何が問題なのかな」「○○君がもっとうまくやるためにはどうしたらいいと思う?」という質問は、コーチングですよね。

ただ、世の中でコーチングを重視するため、ティーチングがおろそかになってしまっています。そうなると、新人の能力が追い付いていない。知識もない。判断基準も持っていない。そんな人に「自由にやれ」といっても、難しいですよね。

「新人指導をしない」“ホーチング”上司が担当になったら

ひどい上司になると「新入社員に自分で考えてやれ」という。「仕事は盗むもの」だといって指導をしない。しかし、本当は上司自身、教え方がわからないのです。じゃあ、なぜ上司は教え方がわからないのかといえば、自分も教えてもらっていないから。そんな状況が続いているから、「仕事は盗むものが当たり前。自分で考えない」といって後輩の指導をしないのでしょう。

結果的には、新人社員は何の土台もないまま放置されることになります。新入社員にとってもストレスですよね。教える人も教わる人もストレス。前はコーチングというよりも、放置。「ホーチング」ですよね!「ホーチング世代」は常にホーチングをしてしまうんですよね。

コミュニケーションを取らなくても仕事は回る

話がズレましたが、なぜ人に好かれなくても仕事ができる時代になってしまったのかといえば、ルーティン化された作業が多くなってきたからです。今の時代、新しいことをしなくてもなんとかなってしまうのです。

僕らの上の世代の人たちは、働く仕組みを整えてくれました。そのおかげで、今僕たちはまわりの人に好かれなくても決められたことを決められたとおりにやれば済む時代になってきました。

以前は、上司から仕事を聞き、あちこちに根回しをしないとうまくいかないこともありました。しかし、今の時代、業務がシステム化され、“ノミニケーション”をしなくても仕事がまわるようになってきたのです。

しかも、上司の側から「一緒に飲みに行こう」と誘うと「アルハラ(=アルコールハラスメント)」だといいだす面倒くさい人たちもいます。だから上司も下手に部下を食事や飲みに誘えなくなってしまったのです。そういうところでコミュニケーションロスが発生していることも多いと思います。

これは「誘われたくない部下」「仕事以外でコミュニケーションを取りたくない部下」からしたら、非常にいいことだと感じるかもしれません。しかし、反面これによってコミュニケーションロスが発生しているのも事実です。

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