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牛タンとカルビに驚愕!米国の牛角が日本人にケンカを売ってる件

海外で、日本のチェーン店だからと安心して入ったらトンデモないモノが出てきたりサービスがおかしかった…、そんな経験をした方は意外に多いのではないでしょうか。メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者で米国在住の医学博士・しんコロさんは、自身が暮らす米ボストンの「牛角」で体験した面白エピソードを紹介しています。日本では絶対にアリエナイ焼肉「珍」体験とは?

仰天な焼肉屋の思い出

かれこれ3年前になりますが、NYの牛角に行った時の仰天エピソードを書きましたね。

米国でも行列ができる「牛角」で、日本人がガッカリした仰天メニュー

お肉がイマイチだったのは仕方がないとしても、「スパイシーカルビラーメン」に大根のツマが入っていたり、味噌ラーメンがカレー味だったり、仰天ファイルの連続でした。キッチンではメキシカンぽいお兄ちゃんと、南米コロンビアっぽいお兄ちゃんが料理をしていました。むしろメキシコかコロンビア料理を作ってもらった方が良かった…なんて思ったのでした。

ボストンに引っ越してから、再び牛角に行く機会が以前ありました。日本の焼き肉を食べられる店がNYでは牛角以外にもありましたが、ボストンには僕が知る限り牛角しかありません。僕にしてみればNYよりは色々な意味で印象が良いボストンなので、NYの牛角とは違うだろうとたかをくくって牛角に行ったのでした。正直、NYでは牛角が悪いというよりも、店員達がNYカーでテキトーすぎたからあのような料理が出てきたのだと思ったので、同じ牛角でもところ変われば品変わると思ったのです。

ボストンの牛角では、料理はNYのような惨事はありませんでしたが、「強火にさせてくれない」という悲劇が起きました。メルマガにも書いたので覚えている方もいらっしゃるかと思います。肉を焼いて少しでも煙が出ると、ウェイトレスが飛んできて弱火にしてしまうのです。僕はすきを見て何度も強火にしたのでした。弱火で焼いた焼き肉なんて美味しくありませんから。この時も、僕は牛角自体が悪いとは感じませんでした。そのウェイトレスがやたら強火が嫌いだったために、あのような「弱火焼き肉」な店になってしまったのですから。

火が通った肉を出す焼肉屋

コロナ禍になってからすっかり外食がしにくくなってしまいましたが、ボストンでは飲食店が生き残るためにデリバリーを強化したり、店内での飲食にも工夫をするようになってきました。たとえば、各所の消毒はもちろんのこと、テーブルを減らして人数制限をしたり、テーブル間にテントのように仕切りを入れたり、入店客の体温を測ったり。

僕が「弱火焼き肉、牛角」に最後に行ったのはだいぶ前ですが、ここ最近衝動的に「モツ(ホルモン)」が食べたくなってしまいました。普通の焼き肉だったら自宅の七輪でかなり美味しくできます。しかし、ホルモンはそもそもスーパーでは手に入りません。業者の特別なルートにしか出回らないのでしょう。

ということで、モツを食べるには牛角にいくしかありません。これまで僕は外食にかなり抵抗がありましたが、火を通す料理なので、食べ物からの感染リスクはないし、店も感染防止の工夫をしているので行ってみることにしました。ただモツを食べるために。

しかし、やはり牛角はやってくれました。かならずメルマガのネタになるハプニングが起きるのです。

テーブルにつくとメニューはありません。QRコードが置いてありそれをスキャンすると自分のスマホでメニューを見ることができます。感染防止の工夫のひとつですね。小さくスマホに映し出されるメニューを僕は目を凝らしてみました。上から下まで見ましたが、モツがありません。もう一度よく見てみましたが、やはりモツがありません。嫌な予感がした僕は、店員に聞いてみました。

すると「モツはない」という衝撃的事実が判明…。そもそもの牛角に来た目的がいきなり閉ざされてしまったのでした。出鼻をくじかれてしまいましたが、久しぶりの焼肉なので、ここで落ち込まずに楽しもうと思いました。

メニューを見てみると、僕の好きな牛タンがあります。そして、「神戸スタイルビーフカルビ」があります。要するに霜降りの牛肉です。アメリカでは和牛のような霜降りは通常は手に入りません。ここ数年、徐々に和牛の人気がアメリカでも高まり、霜降り肉を「神戸牛スタイル」などと呼んだりするのです。

当然のことながら本当の神戸牛ではないので、「スタイル」と呼んでいるわけです。味は神戸牛には及びませんが、アメリカでは霜降肉がめったに食べられないので、「神戸牛スタイ」でも非常にありがたいのです。

僕は好物の牛タンと、この「神戸牛スタイのカルビ」を注文しました。このカルビは一口サイズの薄切り6枚で日本円で3000円もします。セレブではない僕は普段はそんなものは注文しませんが、この時は超久しぶりだったので注文することにしました。そして待つこと数分、牛タンが運ばれてきました。

この牛タン、色はやけにくすんでいます。茶色がかっているのです。でも最近僕は目が悪くなってきたので、果たして肉の色が良くないのか自分の目が悪いのかよくわかりませんでした。しかし食べてみたら明らかにおかしいのです。

とても生臭くて新鮮と思えない味です。ちょうど電子レンジで生肉を中途半端に加熱したら臭くなるような感じにしています。さらに、食感が非常にざらざらしています。ねこの舌がザラザラしているのは可愛いですが、牛タンがザラザラしているのは気持ち悪いです(笑)。どう見ても普通ではないので、僕はウェイトレスを呼んで牛タンがおかしいことを伝えました。ウェイトレスは牛タンを持ってキッチンに戻り、新しい牛タンを持ってきました。今度は茶色がかっている事はなく、牛タンらしい色をしています。しかし、焼いて食べてみたらザラザラしています。どうやら冷凍の仕方が悪かったようです。間違ってもねこタンではないのでご心配なく。

まあ、こんなもんだよな…半分前向きに諦めながらビールを飲んでいると、「神戸牛スタイルのカルビ」が運ばれてきました。霜降りの、見るからに脂が乗ったカルビです。しかし、一枚目をめくると、その下に茶色い肉が隠れていました。そしてその茶色い肉をめくると、次にはまだらに茶色い肉が姿を現しました。部分的に火が通っている肉が隠されているのです。焼肉屋で、一皿3000円も出して、まだらに火が通った肉が出てくるとは斬新すぎます。しかも隠されているところが確信犯です。これはさすがにありえないので、再びウェイトレスを呼びました。ウェイトレスは感じ良く対応していたので、僕も苦情を言うわけではなく、シンプルに肉の状況を伝えました。

しんコロ「このカルビ、部分的に火が通っていますよ」

ウェイトレス「あらま…」

しんコロ「ほら、こことここだけ茶色くなってる」

ウェイトレス「それ、今解凍したばかりだからです」

しんコロ「わかってるけど、電子レンジで解凍したから熱ムラになったんでしょ」

ウェイトレス「店長に言ってきます」

こうして、ウェイトレスが「神戸牛のマネフのカルビのちょっと火が通ったやつ」を下げて、店長と相談しています。僕は待ちながら色々な想像をしました。店長が火が通った肉をもって言い返しにくるシナリオです。

店長「神戸ビーフは、こういう色をしているんです。部分的に火が通った色をしているのが特徴です」

しんコロ「そんなばかな!」

店長「あなた、神戸ビーフ食べたことないでしょ?」

と、そんなことを言われる覚悟をしていたのですが、実際は店長はやって来ませんでした。新しい皿を持ってウェイトレスが現れました。無事交換してくれるようです。

しかしこんどのカルビは、タレに浸ってやってきました。塩コショウかタレを選べるので塩コショウを選んだのに、タレに浸って戻ってきたのです。僕は察しました。きっと、タレをぶっかけて解凍したのでしょう。また電子レンジでしくじるわけにはいきませんからね…。そんなことなら、解凍しないまま持ってきてくれた方がよっぽど良いです。冷凍されていたのはバレバレなのだから、そのままの方がよっぽど失敗が少ないです。日本の皆さんは「冷凍肉だと?」と驚かれるでしょうが、ここはアメリカです。この国の人たちは肉は冷凍しないと薄く切れません。ミートスライサーを使っているのにもかかわらずです。

ということで、久しぶりの牛角はやっぱりやってくれました。もはや、プチファイルをコンスタントに提供してくれる貴重なスポットになりつつあります(笑)。

image by: Shutterstock.com

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ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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