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「バイデン大統領」に歓喜するマンハッタンで日本人が抱いた不安

アメリカ大統領選挙は、投票日の11月3日から4日たった7日、ようやく民主党のバイデン候補勝利が確実な情勢となりました。民主党支持者が多いことで知られ、この結果を待ち続けたマンハッタン住民たちの様子を『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で、NY在住の人気ブロガーりばてぃさんが伝えてくれました。りばてぃさん自身もバイデン政権に寄せる期待は大きいようですが、日本人として対中国政策への一抹の不安も吐露しています。

バイデンさん当確したのでいろいろ備忘録

日本でも大きく報じられているように、ペンシルバニア州の選挙人をバイデンさんが獲得と決まったことで、トランプさんの巻き返しが難しくなり、アメリカ時間7日にバイデンさんが次期アメリカ大統領に当確となりました。副大統領となるハリスさんと一緒に挨拶も済ませ、1月の就任式への準備がすでにはじまっているそうです。

当確直後のニューヨークの様子はYouTubeにあげたので以下ご参照ください。この動画は様々な歓喜シーンまとめたもの。
Here’s how New Yorkers are reacting to Biden’s Win

こちらはイースト・ビレッジのいつもなら静かなトンプキンス・パーク内の様子。
New Yorkers celebrate election results on park & streets!!!

ニューヨーク州でも4割ほどはトランプさん支持者もいますが、マンハッタンは特にバイデンさんというよりも民主党支持者が多いので、こういった反応が各所で見られたという状況です。

一方、トランプさんはというと選挙不正を訴え負けを認めない状況。しかも不正は各所であるとして訴えを起こしていますが、どうでしょう…?勝訴するほどの材料に欠けるし、勝訴したとしても結果をくつがえすほどの票になるかというと難しいのではと言われています。

というのも、疑惑の渦中にあるバイデンさん当確を決めたペンシルバニア州だけでなく、本来なら取れるはずだった州を早々に逃していて、再集計したところで巻き返しはかなり難しいようなのです。まぁ、なので疑惑がある州に関してはもう少し一悶着ありそうなので様子見ですね。というわけで、不確定要素も多く、メルマガに書くかどうかは正直迷いましたが、備忘録として残しておきたいと思います。

(1)不正はあったのかどうか?

ペンシルバニア州は、締め切り後に受け付けた郵便投票も数えており「不正だ、数えなおせ」との訴えがトランプ支持者、トランプ側から出てます。

同州の郵便投票のルールは、11月3日の夕方5時までに郵便で届く、または3日の消印があり選挙日から3日以内に届く必要があります。緊急事態(予期せぬ病気や障害など何かしらの事情)が発生した場合は、その日の夜8時まで(早いとベター)緊急投票として届くこと。同様に郵便投票で申請したものの、郵便では間に合わない場合も直接投票所に届ければ良いというルールになっています。
Deadlines for the November 3 General Election

なので、選挙日当日の何時以降に届いたのか?消印はいつなのか?緊急投票の手続きをした上での投票だったのか?など確認する点があるのでしょう。

ペンシルバニア州に限らず、他の州でも消印が選挙日当日もしくは翌日までのもので選挙日後1週間もしくは10日以内なら受領します、というところもありますので、いまだに開票中の州がありまして、特に上院の支配政党は現時点では共和党優勢ですが、いまだ結果待ちです。下院は民主党政権に決定。
Absentee and Mail Voting Policies in Effect for the 2020 Election

上院の結果は待つとしても、肝心の大統領については、トランプさんが負けを認めずゴタゴタが長引くと不安要素となり株価や経済再開への影響も出かねないので、経済的には早めに決まってほしいところです。

それにしても、実際に不正があったかどうかよりも、不正疑惑が出るほどにグレーな投票が多かったことは、今回の選挙戦を非常に後味の悪いものにしたのではないかと思います。

(2)新政権への期待

このままバイデンさんで決まった場合、今後どのような政策をするかに注目ですが、討論会でのバイデンさんもハリスさんもトランプさんほど明確なものがなかったので、大丈夫なのか?という声は当然出ています。

加えて、選挙の得票数を見ると、バイデンさんは7,600万票を超えと多かったのですが、トランプさんも7,100万以上でして、どちらも2008年のオバマ前大統領の6949万票を上回るという快挙。つまりは、バイデンさんもしくは民主党を支持しない人も相当いるので、政権への厳しい目は続くでしょう。

バイデンさんが当確挨拶で「分断ではなく団結させる大統領に」と話していますが、よほど慎重に進めないと難しそうです。
NBC News Election Results

いずれにしても、共和党政権よりは民主党政権のほうが良くも悪くもグローバルに動くので世界経済は発展傾向になるでしょう。しかも、トランプさんの極端な規制の後ということも明確な違いを生むかもしれず、経済再開への期待が高まっているのではないかと思います。加えて、アメリカに住む移民としては、差別問題や移民政策の面でも過ごしやすくなると思います。

(3)対中の行方

最後に、対中問題も書いておきましょう。アメリカに住む移民としては民主党政権になる方が日々の生活はしやすいのですが、同時に母国日本の将来を思う日本人としては、対中問題がどうしても気になります。

実はこれがあるから、ニューヨーカーたちがめちゃくちゃ喜んでいても、心の底から喜べない理由の1つでした。対中問題は中国企業への規制などに注目が集まりがちで、それも当然重要ですが、日本にとって非常に大きな問題はやはりは尖閣諸島問題でしょう。

トランプさんが取っていた対中強硬姿勢は極端には変わらないとは思いますが、バイデンさんは親中派として有名ですし、尖閣諸島に関しては様々な疑念が出ているので、日本政府としては早い段階で話をしておきたいところ。

そして早速日本政府はバイデンさんと電話会議したとのことで、発表によると、「バイデン次期大統領からは、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用についてコミットメントをする旨の表明があり、日米同盟の強化、また、インド太平洋地域の平和と安定に向けて協力していくことを楽しみにしていく旨の発言がありました」とのことです。加えて、北朝鮮拉致問題についても話し合いが必要ですよね。
バイデン次期米国大統領との電話会談についての会見 | 首相官邸ホームページ

以上、日本人としては懸念が残る新政権ですが、新しく変わるということは必然的に変化が起きますし、民主党政権はグローバル思考なので、海外事業展開したい日本企業にとっても追い風にはなるでしょうから、今後は以前よりも海外情報が重要になるのではないかと思います。

個人的には好き嫌いの感情がありますが、それでもあの地位まで上り詰めたバイデンさんとハリスさんはすごい人ということで、偏りのない目で動向を追っていきたいと思います。

image by: Shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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