GoTo継続は棄民政策。菅政権は旅行や外食どころでない普通の国民を殺す気だ

 

それでは、ヨーロッパの国々はどうでしょうか?フランスのマクロン大統領は11月24日の声明で、フランス国内のすべてのスキーリゾートについて、少なくともクリスマスから新年に掛けての期間が終わるまでは「リフトを稼働させることは不可能だ」と述べました。ドイツのメルケル首相とイタリアのコンテ首相は、新型コロナの感染拡大を抑えるために、ヨーロッパのすべてのスキーリゾートを1月末まで閉鎖するように各国に求めています。もしも、この要求が通れば、ピレネー山脈北部の数々のスキー場を始め、多くのスキーリゾートが大きな打撃を受けます。

一方、EU加盟国であるオーストリアは、ドイツ政府からロックダウンを継続するように圧力が掛かっているにも関わらず、12月半ばに現在の2回目のロックダウンが終了したら、すぐに国内のスキー場をオープンすると主張しています。サンアントン、レッヒ、ツュルスなどのアールベルク地方のスキーリゾートは、ロックダウン終了後、通常より3週間遅れで12月17日にオープンする予定だそうです。同じくEU加盟国であるブルガリアも、オーストリアと同様にドイツからのスキーリゾート閉鎖の呼びかけを拒否したと報じられました。

EU加盟国ではないスイスも、国内のスキー場のオープンに前向きです。すでに、ツェルマット、サースフェー、ヴェルビエ、エンゲルベルク、アンデルマットを含む多くのスキーリゾートで少数のリフトを試験的に運行しており、12月5日以降の完全なオープンに向けて準備を進めています。また、スウェーデンのスキーリゾートもオープンされています。そして、スペインやスロベニアなどスキーリゾートを持つ他の国々は、まだ明確な方針は示していませんが、それぞれの国の政府が現在の感染状況と経済との板挟みに苦しみながら、方針を模索しているようです。

ヨーロッパの多くのスキーリゾートは、EUがオープンを認めた時のために、販売されるチケットの制限、リフトの制限、施設内でのマスク着用、ソーシャルディスタンスの確保などを進めています。しかし、スキーリゾートの閉鎖を支持する有識者らは、すでに多くの病院が新型コロナの感染者の殺到により医療が逼迫(ひっぱく)しているため、さらにスキーによる負傷者が運び込まれることになったり、仮にスキーリゾートでクラスターが発生するようなことになれば、各国の医療は崩壊してしまうと警鐘を鳴らしています。

1つの国である日本の場合ですら、感染防止より経済を優先する国の方針と各自治体との間に軋轢が生じているのですから、27の国々の集合体であるEUが1つにまとまることは極めて困難でしょう。しかし、EUでは、もしもスキーリゾートが全面オープンした場合、有名なリゾートに周辺国からスキー客が殺到することも考えられるのです。

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