日本の月別の新規感染者数の推移を見ると、7月22日に安倍晋三が「Go To トラベル」を強行した翌月の8月が「約3万2,100人」と過去最多を記録していました。そして、菅義偉が「Go To トラベル」を推進するとともに第2弾「Go To イート」や第3弾「Go To イベント」を強行した11月は「約4万7,700人」となり、過去最多を大幅に更新しました。
こうしたデータを見れば、日本医師会の中川俊男会長の「Go To トラベルによる人の移動が感染拡大のきっかけになったことは間違いない」という指摘もうなずけます。また、11月30日には、福岡県で行なわれた「Go To トラベル」によるバスの団体旅行でクラスターが発生し、参加者ら10人が感染したと報じられました。このように「Go To トラベル」が感染を拡大させているのは事実なのです。
しかし、それでも菅義偉は「Go To トラベルが感染拡大の原因だとするエビデンス(証拠)はない」などと強弁し、この感染拡大キャンペーンを続けているのです。その上、自民党の政調会長の下村博文は、11月30日、来年1月までの「Go To トラベル」を来年のゴールデンウイークまで延長するように菅義偉に提言しました。もちろん経済も大切ですが、経済のための政策が感染拡大を引き起こしてしまったら本末転倒です。そして、それ以前の問題として、何度も言うように、あたしは「旅行や外食どころではない多くの人々」への支援を優先すべきだと思います。
(『きっこのメルマガ』2020年12月2日号より一部抜粋・文中敬称略)
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