GoTo継続は棄民政策。菅政権は旅行や外食どころでない普通の国民を殺す気だ

 

スキーを始めとしたウィンタースポーツが盛んなフランス南東部のアルプス山中にある高級リゾート、クールシュヴェルで高級ホテルを運営する旅行代理会社のディレクター、リチャード・ラム氏は、今回のマクロン大統領の声明について「すでに打撃を受けている我々の業界にとって、さらに追い打ちを掛ける大きな打撃です」と述べました。しかし、その一方で、もしもスキーリゾートが完全にオープンし、各国の人々に旅行を許可された場合、ラム氏は「feeding frenzy」を引き起こす危険性があるとも述べています。

「feeding frenzy」とは、直訳すると「狂乱を養う」という意味ですが、四字熟語の「狂乱索餌(きょうらんさくじ)」と同じ意味の英語の言い回しです。海中で1匹のサメがイルカなどに襲い掛かって大量の血が流れ出ると、周囲のサメが集まって来てそのイルカの肉を食いちぎり、さらに他のサメが集まって来て狂乱状態になることがあります。海を真っ赤に染めたイルカの血と、多くのサメが入り乱れている状況に興奮し、正しい判断ができなくなったサメたちは、満腹になってもイルカの肉を食いちぎり続けるのです。

1カ所に多くの人々が殺到することで、正しい判断ができなくなり、通常とは違った行動を取ってしまう。自分の意思とは関係なく、周囲と同じ行動を取ってしまう。バーゲンセールのワゴンに殺到した女性たちが洋服を奪い合う場面などに、この「feeding frenzy」という言い回しは使われます。バーゲンセールという狂乱状態によって正しい判断ができなくなり、周囲に流されて欲しくないものや必要ないものまで買ってしまう女性たち。これが「feeding frenzy」なのです。

多くの人々が長期休暇を取るクリスマスから新年に掛けてのこの時期に、各地のスキーリゾートがオープンして旅行が解禁されると、これまでずっと規制されてストレスが溜まっている人々はどのような行動を取るでしょうか?それをラム氏は危惧しているのです。実際、マクロン大統領の声明とは関係なく、国内の感染状況から、この冬の営業を諦めて全面休業にしたスキー場やホテルもあるのです。

しかし、EU加盟国の大半の人々は、こうした各国それぞれの方針や各スキーリゾートそれぞれの対応を冷めた目で見ています。それは、新型コロナによって生活が困窮している多くの人々にとって、家族で旅行に行くことなど夢のまた夢であり、こうした議論自体が自分とは無縁な雲の上の話だからです。報道によると、ほとんどの人々は「クリスマスも新年も自宅で家族と静かに過ごす」と言っているそうで、これは日本も同じだと思います。

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