月額2980円という価格で衝撃を与えたNTTドコモの新料金プラン「ahamo」(アハモ)。当然、ライバルであるauやソフトバンクもこのまま指をくわえて黙っているとは思えません。ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の中で、今後、ドコモ以外の大手キャリア2社が仕掛けてくるであろう新料金プランの戦略を大胆に予測しています。
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NTTドコモが月額2980円でオンライン限定「ahamo」を発表━━KDDIの対抗馬はeSIM専業「KDDI Digital Life」か
NTTドコモの新料金プラン「ahamo」。20GBで2980円、1回5分の無料通話がつくなど、インパクトは絶大だ。
取り扱いをオンラインに限定し、ドコモショップでは取り扱わない方向。人件費や販売奨励金、店舗運営費、販売代理店への支払いを不要にすることで、低料金を実現したのは天晴れといえそうだ。このメルマガでは、再三にわたって、「店頭でのサポートコストを、ショップを全く使わない我々が負担するのはおかしい。きちんと店頭ではサポート料をとりつつ、店頭を使わない人には値下げすべき」と主張してきたが、まさかNTTドコモが、ほぼサブブランドでネット限定プランを作ってくるとは思わなかった。
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NTTドコモが月額2980円を提供してきたことで、ネットの反響はかなりいいようだ。すでにSNSに慣れているユーザーからすれば、「ネットでスマホを契約する」というのも抵抗ないのだろう。また、格安スマホや楽天モバイルに移行しているユーザーも、その多くがネットで手続きしていることもあり、そうしたユーザーもahamoは取り込んでいくことだろう。
当然のことながら、KDDIとソフトバンクも対抗策を打ってくるはずだ。
サブブランドであるUQモバイルやワイモバイルで対抗するのが手っ取り早いが、武田総務相に「サブブランドに移行するのに障壁があるのはけしからん」と怒られるのは目に見えている。解約手数料やMNP手数料、新規契約事務手数料を撤廃してから、新料金プランを発表するのが無難だ。しかし、ここまでハードルが下がると、もはや、これは「メインブランド」と同じなのではないか。将来的にメインブランドとサブブランドの違いもなくなり、単なる「名前」として、実態は一体化していくことになりそうだ。
ただ、UQモバイルもワイモバイルも店舗を持ってしまっている。店舗を運営し、販売代理店への支払いを続けながら「月額2980円」を実現するには無理がある。
そこで浮上するのが、ネットをメインに展開しているブランドの活用だ。KDDIの場合はBIGLOBEがあるし、ソフトバンクにはLINEモバイルがある。どちらも家電量販店での取り扱いはあるものの、専門のショップを出しているというわけではないので、2980円という設定はやりやすいのではないか。
ただ、BIGLOBEは年配のパソコンユーザーであれば親しみがあるが、若い層を取り込むのにはやや厳しい。
そんななか、期待したいのが、KDDIが来春に向けて準備しているeSIM専門のMVNOである「KDDI Digital Life」だ。こちらでオンラインのみ、eSIMのみのブランドを立ち上げて、auとともにメインの料金プランとして展開すればいいのではないか。eSIMということで、いきなりユーザーが殺到するとは思えない。しかし、世間的には「KDDIもメインで2980円を提供した」というイメージで伝わることになる。
いずれにしても、来春には「3キャリアで2980円」が出そろい、市場が活性化することになりそうだ。
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