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止まらぬ中国の暴挙。WHOをも「失望」させた入国拒否と香港弾圧

新型コロナウイルスとの戦いにおいてのみならず、あらゆる問題解決に「協調」が求められている世界各国ですが、中国共産党はその流れに乗る気はないようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、年が明けても独裁体制の維持のみにこだわり、他国との結束を拒否するかの如き習近平政権の動きを晒し上げ強く批判しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年1月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】年初から国内統制強化・外国をシャットダウンする中国の危機的状況

香港民主派、50人以上逮捕 当局、国安法の取り締まり本格化

中国や台湾などの中華圏では、新年のお祝いは旧正月にすることが多いため、元旦のお祝いはあまり派手ではありません。暦上は、今年の旧暦の元旦は2月11日となっているので、そのあたりで旧正月を祝う中華圏の人々の様子が報道されることでしょう。

一方で、年が明けた2021年の1月初旬から、中国は去年に引き続き、様々な悪評高い活動をしています。まずは、香港での暴挙。2020年末に、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで民主活動家として有名な周庭氏らを逮捕しました。さらに年が明けた1月、少なくとも52人が国安法違反で逮捕されたとのことです。以下、報道を一部引用します。

香港メディアによれば、6日早朝、香港の警察は民主派関係者の自宅を次々と訪れ、少なくとも52人を連行した。民主派政党、民主党の胡志偉(こ・しい)前主席や社会民主連線の梁国雄(りょう・こくゆう)副主席、前議員の朱凱廸(しゅ・がいてき)氏ら民主派の中心人物が含まれている。昨年7月、民主派が次期立法会選挙の立候補者を調整するために行った予備選挙に出馬したメンバーがほとんどで、香港当局は予備選挙に参加したことが国安法違反と判断した可能性がある。

 

香港の警察当局は6日、予備選挙を主導した民主派団体、香港民意研究所を家宅捜索した。同研究所の副総裁、鍾剣華氏は香港メディアに対し「予備選挙の投票に参加した約60万人分の個人情報はすでに破棄したので、一般市民は心配する必要はない」と語った。

香港当局、民主派を50人以上逮捕 予備選に関与の米国人弁護士も

もうひとつの悪評高い活動はコロナです。去年から、コロナの発生源と言われている武漢では、すでに日常を取り戻しているかのような映像が報道で流されていました。中国での第一波が下火になった後も、中国でのコロナ感染についてはあまり多くが報道されていません。欧米の爆発的感染者数は連日報道されており、イギリスではロックダウンに反発する若者と警察とが衝突するニュースもありました。ところが、中国のニュースはひっそりとしたものです。

久しぶりにコロナ関連ニュースで中国の名前が出てきたかと思ったら、なんと「中国、コロナ調査団入国なお認めず WHOトップ『失望』」というニュースでした。以下、報道を一部引用します。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日、中国が依然として新型コロナウイルス発生源を巡る国際調査団の受け入れを許可していないことに「深く失望」していると述べた。

 

テドロス事務局長は、中国当局が調査団の入国に必要な最終認可をしていないことをこの日把握したとし、コロナ起源に関する調査が「WHOの優先課題であると再度明確にする」と強調。中国当局と連絡を続けていると語った。

 

調査団は過去24時間以内に中国に向かい、5日から調査に着手する計画となっていた。

中国、コロナ調査団入国なお認めず WHOトップ「失望」

もともと1月5日からWHOの調査団が訪中し、武漢での調査を開始する計画になっていました。日本のメディアが調査団の一人である、オーストラリア・シドニー大学のウイルス学の専門家ドワイヤー教授に、調査団として中国へ行く前に取材しています。そこでは、教授は調査へ強い意欲を示していました。ということは、この時点では中国政府も調査団の受け入れを認めていたのでしょう。

独自新型コロナ「震源地」中国・武漢へ!WHO調査団豪教授語る

しかし、いざ調査団が入ろうとすると、突然、調査団を拒否したということのようです。すでに武漢で新型コロナが発生してから1年以上が経過しているにもかかわらず、これまでもWHOの調査を拒否し続けてきた中国が、さらに調査団の受け入れを認めないなど、許されることではありません。

その一方で、武漢では「新型コロナとの闘い」特別展が開かれ、マスク姿の警察や医師、兵士らを英雄的に讃える展示を行っています。武漢が発生源だったという見方は頑なに拒否し、「アメリカ軍が持ち込んだ可能性」を持ち出し、さらにその後は輸入冷凍食品を通じて海外からコロナが入ってきたという説まで言い出しています。

コロナ起源の謎、解明難しくする中国-武漢に日常戻り真相分からずか

しかし、武漢での情報隠蔽を告発する証言も少なくありません。とはいえ、そうした証言者は外国メディアに接触しないよう当局からの尾行など激しい圧力を受けているのが現状だといいます。

新型コロナ1年 中国の情報隠ぺい証言続く

さらに、中国関連で新年を跨いで話題になっているのが、アリババグループの創業者である馬雲(ジャック・マー)氏についてです。去年10月から動静が明らかにされておらず、行方不明説まで浮上しています。

その理由として、「2020年10月に上海での演説で、中国の金融規制当局を「老人クラブ」と批判したことが関係しているのではないか」「彼は上海の会合で、『現在の金融システムは産業化時代の遺物だ』と批判。『私たちは次の世代と若い人々のために、新しいシステムをつくらなければならない。現在のシステムの改革をすべきだ』と主張」、したことが関係しているのではないかとも言われています。

ジャック・マーは中国当局に「消された」のか?中国を逃れた不動産王の予言が話題に

以前のメルマガでもお伝えしましたが、この馬雲氏の発言により、アリババグループ傘下の金融子会社アントは、11月に予定していた上海と香港での上場を直前で中止させられました。

【関連】日本人にも監視の目。キャッシュレス決済で中国に握られる個人情報

当局を少しでも批判する者は、どんな富豪でも許さないという中国政府の怨念を感じます。しかもジャック・マー氏の活動拠点はアメリカでした。

さらに、「中国の規制当局は2020年12月、アリババについて独占禁止法違反の疑いで調査を開始した」ということです。ジャック・マー氏は中国当局に拘束されているとの噂もあります。

一方で中国国内は、電力不足や石炭不足による電力使用制限が通達され、寒い年越しを迎えたという報道もありました。石炭不足は、オーストラリアとの関係悪化が影響しているようです。

真冬の中国で恐怖の大停電、市民によぎる暗黒の記憶

トウ小平の改革開放後の中国社会は、自力更生ができなくなり、「他力本願」しか生きる道がない社会となりました。すべてのエネルギー資源は国外に頼り、食糧でさえ一部は輸入に頼らざるを得ない状態です。それが中国のアキレス腱です。今はコロナの影響で、全国の失業者と流民は3億人に迫る勢いです。

それでも習近平は自身の独裁体制の維持と内ゲバに忙しく、活路を切り開くことができません。そんな状況こそが「戦狼外交」「儒教イデオロギーへの回帰」のベースになっています。

国民が震えながら仕事をしている一方で、どこまでも悪政を貫く姿勢は変わらない中国。コロナ感染の勢いもまだまだ衰える様子がありません。

アメリカ政治もいまだ混乱が続いていますが、中国も決して安定しているわけではありません。むしろ世界的な中国への反発はこれまで以上に高まっています。年初から中国の国内統制強化と外国への情報シャットダウンが世界的な話題となったことから、2021年も激動の年になりそうな予感です。


 

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image by: Alexander Khitrov / Shutterstock.com

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