日本人にも監視の目。キャッシュレス決済で中国に握られる個人情報

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新型コロナウイルスの感染症拡大の影響もあり、今後もさらなる普及が見込まれるキャッシュレス決済。しかし、中国資本のサービスの利用には注意が必要かもしれません。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、その利用履歴などのデータはすべて中国に握られていると断言。さらに、違法取り引きをでっち上げられたり脅迫のネタにされることも十分あり得ると警告しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年11月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】日本人も他人事ではない中国共産党の「アリペイ統制」

スマートフォン決済アプリ「支付宝(アリペイ)」を手がけるアリババ傘下の金融会社アント・グループは、香港・上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表しました。

アント、香港・上海上場を延期 中国当局が創業者ら聴取

これは、アリババ創業者のジャック・マー氏が中国金融当局の聴取を受けたことが理由です。中国当局は、デジタル人民元の発行を目指していますが、その一方で、民間金融のフィンテックとよばれるデジタル通貨について、統制を強めています。

記事によれば、マー氏は10月下旬の上海市の講演で「良いイノベーションは(当局の)監督を恐れない。ただ、古い方式の監督を恐れる」などと述べる一方、アントは上場後の自社株を組み込む投信をアリペイで販売しており、株価のつり上げにつながりかねないとして、当局の不興を買ったとみられています。

習近平政権は、「天網」という監視カメラ網を中国全土に張り巡らせ、AIを使って中国人民1人1人を監視しています。2021年には中国全土の監視カメラは5億6,700万台になる見込みであり、じつに1台の監視カメラあたり3人を見張る体制となります。

世界の都市のうち、監視カメラがもっとも多いのが北京で、その次が上海です。監視カメラが多い都市のベスト20のうち、18位までを中国の都市が占めるとされています。

世界で監視カメラが多い都市 中国がトップ20中18を占める

先日、中国政府は国家安全維持法を香港に施行しましたが、もちろん、中国本土にも2015年に国家安全法を施行し、人権弁護士や活動家を次々と逮捕・拘束しました。

そのような習近平政権ですから、すべてを自分たちのコントロール下に置かなければ、気が済まないわけです。当然、アリペイの利用履歴などのデータはすべて当局に握られます。企業側は「握られていない」と反論するでしょうが、データを押さえなければ、統制下に入れる意味がありませんので、必ず握られています。

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