日本経済の恥部が露呈した、みずほ銀行システム障害の「終った感」

 

しかし、今回の事件は日本経済の恥部を露呈したという意味で、本当に暗澹たる思いがします。

  1. 経営統合しても理想の運用や組織に移行できない。間接コストの圧縮でのスケールメリットも出ない
  2. 開発費はどんどん中抜きされて結局はベンダーがヘトヘトになっているに違いない
  3. 経営幹部はコンピューティングに関するマネジメント力はゼロ
  4. システム監査などの制度は機能せず
  5. そもそもカネを借りてくれた(出資の場合もありますが)ので、商品サービスを買ってやるという腐敗した互恵取引のワイロ構造が大元。クライアントとしてベストなベンダーを選択できないのは、株主への裏切り
  6. これでフィンテックとか笑止千万

もうこの辺りで止めますが、とにかく「障害の再発防止」に努めるのではなく、本当の「システム統合」をちゃんとやらないと、最後には銀行全体が吹っ飛ぶのではないかと心配になります。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋)

image by: Ned Snowman / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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