日本経済の恥部が露呈した、みずほ銀行システム障害の「終った感」

 

非常に単純化すると、同じPCの中でMACのOSと、ウィンドウズOSを動かしている中で、大事な家計簿のある部分はMACのナンバーズで管理しており、ある部分はウィンドウズで走るエクセルで管理している、しかも全体を見るにはGoogleのスプレッドシートで管理している、そんな感じです。

いやこの比喩は違いますね。家計簿を管理するのに、MACマシンとウィンドウズマシンの2台を使っていて、全体を見る場合にはもう一つ別のLINUXマシンかなんかを使っている、そんな感じです。

家計簿なので、一本化すればいいのですが、パートナーのそれぞれが譲らないのでそうなったとか、そういうストーリーです。税理士がやってきて、この家の家計管理システムはどうなっているのかと疑問を発したら、3つのマシンは一応にLANでつながっていて相互にデータを更新するようになっているので、一応家計管理も税務計算もできる、つまり「統合されている」という説明でとにかく押し返したという感じです。

ところが、あるときにMACのアプリを更新したら全体的に不具合が起きてしまって、LINUXマシンで見られるはずの収入合計がエラーになってしまったとか、ある時に仮想通貨の売買をプログラム取引でやったら行数が膨大になって、最初のマシンのスプレッドシートには入力できたのが、転送する際に行数エラーになって合計額が出ないとか、そんな現象が起きている、話を何十万分の一、あるいは何億分の一のスケールにして「たとえて」みるとそうした話になります。

要するに、1つのマシン、1つのアプリに統合、つまり本当の意味での統合をすればいいのですが、「できない」ということでズルズル来たわけです。私の恐れているのは、2年前に完成したという「統合システムの更新」というのは、依然として本当の意味の統合ではなく、例えば、

「元のA行の支店からのMという取引の場合は特別に夜間処理でQデータベースを見に行くようにしていたのを、リアルタイムで見に行くようにして、そこで問題があればエラーではじくようにした」

といった対策を隅々までやったとか、そういう話ではないかという可能性です。そうなれば、確かにバグを潰してカットオーバすれば、当初は動くかもしれませんが、しょせん全体は過剰に複雑で不安定なままというわけです。

これでは駄目なのです。

「元がA銀行だろうがB銀行だろうが、Mという取引の場合は新銀行の統一されたDBでリアルタイムに処理する。例外はなし。DBには全てがコンバートされて格納済み」

こうしなくてはいけません。SMBCやMUFJだって、100%できているとは思えませんが、少なくともかなり「まし」なことが出来ているわけで、みずほの場合は非常に心配です。

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