ネットで物を売る戦略を突き詰めると、売るべきは「人」になる

 

5.商品ではなく、個人を売る

資本力さえあれば、店舗を増やすことは可能だ。しかし、資本力はあっても、新規のコミュニティを次々に作るのは大変だ。コミュニティを育てるには、人と時間が必要なのだ。もし、人気のある個人がいれば、その人の仕事や趣味を中心にコミュニティを作り、そこからビジネスを組み立てることができるかもしれない。

個人をブランド化し、個人を紹介するWEBを作り、オンラインサロンを作り、コミュニティを作る。これを個人に任せるのではなく、システム化し企業が組織として取り組む。企業が個人をプロデュースするという意味では、芸能プロダクションに近いのかもしれない。

違いはイベントや音楽パッケージ販売で稼ぐのではなく、商品を開発し、物販で売上を上げるという発想である。SNSというメディアは個人をプロモーションするのに適している。ネットで販売すべきは商品ではなく、個人なのかもしれない。

編集後記「締めの都々逸」

「モノとヒトとが 入れ代わっても 金が動けば 構わない」

考えれば、考えるほど、ネットの時代は人の時代です。モノを売るよりヒトを売れ。人を集めて、人と人とをつないでいく。SNSというメディアは、人が発信し、人が評価し、「いいね」をつけます。人の信用でモノを買う。あるいは、人が面白がって、モノが売れる。どこまで行っても人が主役です。

店舗に投資するように、人に投資するべきです。そして、人を育てて、その人を中心に顧客を集める。モノを売るのはそれからです。モノとカネの時代は、時間を金で買いました。ネットの時代は、人と時間の時代です。時間が人を育て、人がカネを生むのです。人に投資しなければ、何も生れない。そんな時代だと思います。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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