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コロナ後の経済と社会

今からの時代は、新自由主義の時代が終わり、民主社会主義または、ケインズの時代になる。自由で闊達な時代が終わり、平等重視で経済的な活気がない時代がくる。

「ゆりかごから墓場まで」という平等主義の英国病に苦しむ国を救うために、サッチャーが社会保障を無くして、税金を安くして企業の利益を最大化する競争の時代、自由の時代を開いた。

それに追随して、米レーガンも新自由主義経済を確立して、IT化・金融資本主義の時代を作った。この構想通りに、ITと金融資本主義になり、しかし、その半面で貧富の差が拡大してしまった。

この修正が必要になっている。選挙民の多くが貧困化した労働者階層であり、富裕層の方が少数であり、選挙では数が多い方が勝つ。そこに目を付けたトランプ氏が当選したことで、米国政治は、再度労働者階層に目を向ける必要になった。

本来は労働者党のはずの民主党が、貧困労働者が投票した金持ち層の党・共和党に負けるという大逆転を許したのである。

このため、民主党は再度労働者の声を聞くしかなくなり、バイデンは、バーニー・サンダースやオカシオ・コルテスが主張する平等を掲げることで当選した。この平等は、政治が経済に介入することになる。統制経済にならざるを得ない。英国病の時代に戻る。

今までの新自由主義社会では、IT企業は雇用者数が少なく、しかし、雇用された人には高給が保証されている。このため、IT企業と金融投資企業の経営者・従業員と投資家だけがいい目を見ることになる。

製造業は新興国にシフトして、新興国の安い労働賃金で作られた商品で値段が安く、しかし、雇用者数が多く給与は低いが、新興国では、社会全体の所得を上げることができる。このため、新興国と新自由主義の英米は、ウィンウィンの関係が成立っていたのだ。

しかし、米国内部で、貧困層と富裕階級の差が拡大したのである。このため、再度、製造業を復活させて、労働階層・中間層を作り、社会を安定させる必要になっている。

もう1つが、地球温暖化防止などとCO2削減が叫ばれているが、再生可能エネルギーは、熱効率が低くなるので経済合理性を度外視した経済になる。ここでも政治が経済に介入することになる。

再生可能エネルギーを使って生産した物より、石油を使って生産した物の方が安いので、差分以上の関税を取り、国内販売上ではイーブンにすることになる。しかし、この料率を決めるのは、政府であるので、保護貿易になり、新興国からの物を入れないことにもなる。ということで、米英の製造業復活と整合性がある。

この経済合理性を成立たせるためには、人工光合成などの技術ができないと難しい。この技術をコスト的に低くして普及させるためには、まだ20年以上の時間がかかる。

その時代までは、既存技術を組合わせていくしかない。この分野は日本が強い。広範囲の技術を複合化し、アイデアを出して必要な物を作ることである。

物は関税障壁ができて、国境を越えられないが、相手国に工場を作ることはできるので、企業利益は増えることになる。人の移動はできるが、モノの移動が難しい時代になる。

勿論、IT技術も必要であるが、国際的なM&Aで企業買収を行い、IT分野を補強して、その他の製造分野は強いので、それと組合わせて勝つことである。異分野の国内企業同士の連携も必要になる。

アベノミクスでは金融政策が中心で、産業政策がなかった。何度言っても、聞き耳を持たなかった。その間に日本の産業競争力が大きく衰弱してきた。ここで、見直していくしかない。

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