絶体絶命の米国。700兆円コロナばら撒きが招く中国との軍事衝突

 

3つ目には、米国と中国の覇権争いである。中国の人権無視は昔からである。なぜ、チベット人弾圧には反対せずに、ウイグル人弾圧に人権侵害と言うのは分からない。昔から人権弾圧をしているのが、中国である。それを今頃、問題視するのは、覇権競争になっているからである。

このため、中国経済と米国経済の分離が起きる。新彊綿使用でユニクロのシャツが米国輸入禁止になったのも、その理由からである。

ここは、次の経済的な側面がおかしくなると、最悪な状況も生まれることを念頭に置く必要がある。日本は対中前面にあるので、戦争になると最前線になる。

4つ目には、米国が日本のマネをして、財政出動をしたことである。コロナで、米国も世界も金融緩和、量的緩和、財政出動を行い、お金を市場に十二分に出した。このため、株価は最高値まで上昇し、資産や資源の全部が価格上昇している。しかし、今後、コロナが収束すると、市場からお金を吸収して正常化する事が必要になる。

しかし、それをすると株も資産も価格が大暴落するので、慎重に行うしかない。日本は30年掛けて金融緩和をして、一度に大きくは市中にお金を増やしていない。今回のコロナ下でも1回しか、それも10万円しか給付をしていない。

しかし、米国は、大判振舞をして700兆円程度もばら撒くという。FRBも大量に国債・社債などを月間で8兆円以上買入れで、200兆円以上になっている。それも今後も毎月8兆円の買入れだ。23年中は行うという。

米国民は貰ったお金を使うので物が不足して、物価が上昇している。失業保険給付には特別上乗せがあり、月30万円にもなる。就職活動はするが、就職はしないことになる。就職すると収入が減るのであるから、当たり前である。

インフレになると、金利を上げる必要になる。今までの金融理論では、金融緩和を止めるしかないが、それをしたら、株も資産も大暴落になる。このため、できないので、インフレであっても、インフレは一時的だと強弁することになる。

その先はスタグフレーションになる。不景気の物価高であり、一番困るのは、貧困層であり、貧困層の批判を受けて、バイデン政権は給付を継続するのではないかを見られている。しかし、それでは問題が解決しない。

とすると、どうなるのかである。米国の世論が沸騰してくると、何が起きるか、分からない。貧困層が結託してクーデターを起こすか、富裕階層や政府高官が中国を「悪の帝国」と呼び、戦争に向かい、国内をまとめるか、2つに1つの状況になることが想定できる。

2008年のリーマンショックが1925年9月の大暴落と一緒であり、その後、ルーズベルトのニューディール政策を行うが景気は回復しないで、第2次大戦で米国は復活するが、それと同じ道を歩んでいると見える。「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」ということである。

さあ、どうなりますか?

image by: Stratos Brilakis / Shutterstock.com

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