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JOC経理部長「自殺ではなく他殺」説のウソと本当。東京五輪の疑惑と虚構、真相は永遠の闇に?

今月7日、東京・品川区の都営地下鉄浅草線の中延駅で、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が電車に伸び込み死亡した。自殺とみられている。東京五輪開催を目前に控えた時期ということもあり、日本中にその衝撃が広がった。しかし、このニュースがあまり報道されないことなどから、他殺を疑う声もあがるなど、この一件を巡りさまざまな憶測が広がっている。

なぜメディアは「JOC経理部長自殺」を報じないのか?

死亡したのはJOCで経理を担当する50代の幹部職員。遺書などは見つかっておらず、現場の状況から飛び込み自殺とみられている。男性がホームから1人で線路に飛び込む姿を駅員が目撃したという。

東京五輪の開催については以前から招致をめぐる贈収賄疑惑が取り沙汰されていた。亡くなった男性は経理部の部長という重要なポジションについており、そのキーマンと目される人物が五輪直前に自死したことになる。

新聞やテレビなどの大手メディアは一報こそ報じたものの、その後大きく取り上げるようなことはしていない。国民が関心を寄せるニュース性からすれば、もっと報じられても良いはずだが、なぜ報道しないのか。

さまざまな憶測が広がってしまうにはいくつかの理由がある。

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憶測①詳細を明かさない「JOCの不可解な対応」

JOCの山下泰裕会長は8日、都内で取材に応じ、経理部長の男性が死亡した件について詳細を把握していないとしたうえで、亡くなった原因の調査については「細かいところが分かっていない。これ以上の質問にはお答えできません」と言及しなかった。

また、「役員でもないのに実名で報道されていた」と一部メディアが実名報道に踏み切ったことに関して苦言を呈した。JOC職員の中には「実名報道は絶対に許されない」と激怒する職員もいたという。

たしかに自殺報道に関して厚生労働省から、「自殺の報道記事を目立つように配置しない」「過度に繰り返さない」などのガイドラインが発表されている。

しかし、自殺報道に関してはその公益性も考慮されるべきで、すでに米紙「ニューヨーク・デイリー・ニュース」や英紙「デイリー・メール」などでも報じられている。

海外メディアでも大きく取り上げられるようなニュースが日本国内で報道されないようなことがあってはならないだろう。

そもそも今回の事件が報道されなければ、事件ごと闇に葬られていた可能性は否定できず、報道しない自由と揶揄されても仕方ない。

こうしたことからも、「実名報道は絶対に許されない」といったJOCの主張は間違っているといわざるをえない。

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憶測②生放送の番組で突然の「ニュース差し替え」

福岡県を放送対象地域としているKBC九州朝日放送では、急遽ニュースを差し替えるという不自然な対応が行われた。

平日の朝6時20分から8時まで放送している『アサデス』の中で7日、女性アナウンサーが「東京オリンピックの直前に一体何があったのでしょうか?JOCの幹部が……」と原稿を読んでいたところ、突然「……失礼致しました。続いてのニュース、改めましてお伝えします」と語り、ゾウが車に猛突進するニュースに差し替えられた。

もともと現場ではJOC幹部が亡くなったニュースを予定していたものの、急遽テレビ局の上層部から差し替えを命じられたとみられ、圧力や忖度があったのではないかとの批判が起きている。

テレビでのニュース差し替えは過去にも起きている。

東日本大震災における原発事故のニュースを報じていたNHKのニュース番組で、「いまの原稿使っちゃいけないんだって」とスタッフの声が入り、アナウンサーが別のニュース原稿を読み上げたのだ。

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こうした前例があることからも、不自然なニュース差し替えは何かしらの圧力があったと思われてしまうのは仕方ないだろう。

憶測③『報道特集』で内部告発した職員と同一人物か

JOCの幹部職員がなくなったニュースが流れた直後、「東京オリンピックの人権費に関する内部告発をした人物では」との憶測が広がった。

今月5日に放送された『報道特集』(TBS系)は「高額人件費のからくりを組織委職員が証言」と題し、東京オリンピックの各会場に派遣されるスタッフの人件費について特集。

この中で取材に応じた男性は、「1日35万円で仕事を請け負っているという現場のディレクターには、別の報酬も支払われている可能性があり、合計80万円が支給されている」ことを明らかにした。

内部告発したこの男性が亡くなったのではとのうわさが広まったが、取材に応じたのは大会組織委員会の職員であり、JOCの幹部ではない。これは明らかな人違いである。

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憶測④「中延」「ゾウ」は隠喩説

また、ネット上では男性が飛び込んだ都営地下鉄浅草線の中延駅が「中止」や「延期」を表す隠喩だとする話も出ている。

さらに、前述したKBC『アサデス』の中でニュースがゾウの話題に差し替えられたことに関して、ゾウは「The elephant in the room」の隠喩だとこじつける説もある。

「The elephant in the room」とは、その場にいる人が皆認識しているけど、あえて議論を避けていることを表す英語の表現で、いわば“タブーな話題”や“重大な問題”を指している。

もちろん、これはたまたまその日にゾウのニュースがあっただけで、JOCの男性幹部職員が亡くなったこととは一切関係がない。

「中延」も「ゾウ」もネットでこじつけられた憶測であって、まったく根も葉もない噂である。

東京五輪開催の裏に隠された“深い闇”

東京五輪開幕を直前に控える中で起きたJOC幹部の電車飛び込み自殺。

さまざまな憶測が広まっているが、ただの噂にすぎないものもあれば、明確に否定できない話もある。

そこには何らかの不自然さが残り、“見えない闇”があると勘ぐられても仕方ないだろう。

7月23日の東京五輪開幕まではあと44日。

多くの疑問や疑惑を抱えながら、開催されることに本当に意味があるのだろうか。史上類を見ないようなオリンピックが間もなく始まろうとしている。

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image by:Maykova Galina / Shutterstock.com

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