変わらない日本の政治と政治家に“ファッションの力”が効くワケ

 

4.政策の大分類、中分類、小分類

政治で最も重要なのは、政策立案であり、立法である。しかし、一つ一つの政策を短い言葉で説明するのは難しい。様々な立場があり、様々な反論があるに違いないのだ。各政党のマニュフェストも似たような内容が多く、単純なスローガンが並ぶだけで、現実性が感じられない。

マニュフェストについて語られるのは選挙期間中だけであり、国会が始まれば、週刊誌の後追いスキャンダルなど、瑣末な問題ばかりに集中し、最も重要な法案は何の議論もないままに通過してしまう。

マニュフェストで差別化できないのだから、イメージで差別化するべきではないか。但し、各政党が大手広告代理店に丸投げしてしまえば、イメージまで同質化してしまうだろう。そこにファッションの手法が役に立つのではないか。

例えば、政党をブランドと考える。ファッションはシーズンテーマを設定し、テーマに基づいて個々の作品をデザインする。政治の場合は、シーズンテーマが政策テーマとなり、その中に個々の政策が提唱される。

政策が大分類、中分類、小分類のように整理されれば、世界観をイメージすることができる。大きな構造を明らかにせず、目先の人気取り政策ばかりを出しているのは、売れ筋後追い型のアパレルに似ている。それでは、ブランド価値は高まらない。政策のストーリーが構築できれば、イメージ訴求の動画を制作することもできるだろう。各政党がその世界観を軸に競い合うようになれば、政治への関心も高まるはずである。

編集後記「締めの都々逸」

「詰まらぬものと 卑下して隠し 身内で利権 回してる」

現在の政治家は恣意的に政治をつまらないものにしているのではないでしょうか。国民が関心を持てば、意見も出てくるし、その調整が面倒になる。国民にはスキャンダルに関心を集め、議員にはどうでもいいようなことを議論させ、重要なことは官僚が決めていく。この体制を維持するには、政治が面白くてはいけないのです。

でもね、本当は政治ほど面白いものはないと思います。我々の生活に直結しているし、経済にも直結している。我々の未来にも直結しています。

ぼくは、政治を面白くしてほしいし、もっと政治に参画できるような仕組みをつくってほしい。そして、日本の政治をカッコ良くしたいんですよね。カッコイイ政治でカッコイイ国を作る。そうすれば、世界のカッコイイ奴が集まってくるし、そこに投資が集まると思うんですよ。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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