変わらない日本の政治と政治家に“ファッションの力”が効くワケ

 

日本では、大多数の国会議員はスーツを着用している。与党も野党も何の区別もない。議員本人は品位ある無難な格好をしているつもりだろうが、一部の国民からは特権階級の象徴と思われているかもしれない。スーツを着用するにしても、政策を象徴するようなカラーを決めて、服装の一部にそのカラーを入れることを奨励するのはどうだろうか。

海外では選挙キャンペーンでカラーを活用することが多い。カラーを決めれば、支援者はその色のTシャツを着用することで、一体感とパワーを感じることができる。こうしたことで、議員と党員の一体感を演出することが、政党全体のガバナンスにつながるのではないだろうか。

3.政治家のアイデンティティ

政党のアンデンティティをカラーで訴求するとすれば、政治家のアイデンティティを視覚的に訴求するにはどうすればいいのだろう。政治家は個人なので、何らかのシンボルやキャラクターを設定するのはどうだろうか。これは、個人ブランドのロゴであり、キャラクターになる。そのデザインで政治家個人のイメージが決定するのだから、十分な投資を行うべきだし、意匠登録も行うべきだと思う。

政治家がイメージやデザインに無関心なのは、世襲議員が多く、直接有権者に働きかける必要がないからでないか。その証拠が、国会議事堂で販売している総理大臣グッズだ。本当にひどいデザインばかりで、田舎の旅館ならいざ知らず、国会議事堂で販売して良いレベルではない。昔なら、地方から陳情に上京した人がお土産に買ったのだろうが、現代もそれでいいのか。議員個人のイメージ訴求という視点を持って欲しいものだ。

そう考えると、選挙のポスターもひどいデザインばかりだ。選挙におけるポスターは非常に重要であり、ブランドロゴ、旗艦店のデザインに等しい。当然、一流のデザイナーを起用すべきと考える。選挙のポスターは街の景観の一部となる。街を美しくするために、ポスターのデザインも美しくデザインしました、という候補者がいれば、少なくとも私は投票する。

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