新型コロナウイルスワクチンの高齢者以下の年代への接種も始まり、さまざまな動きがあるようです。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』では、新たに6月から打ち出された、「医療職でワクチン接種に従事している人への特例措置」について詳しく解説しています。
ワクチン打ち手特例
お久しぶりです。高齢者以外の新型コロナワクチンが始まりましたね。E子先輩のお母様は、2回目のワクチン接種でも発熱なども全くなく、問題がなかったそうです。若い人の方が副作用が大きいのかな…?
そんななか、6月の頭からは新しい動きも始まっているようです。
――――――
所長 「うちが別法人で経営しているデイサービスがあるだろう。そこで勤務している看護師さんからこの間、副業の許可申請があったんだ」
E子 「そうなんですかー。扶養の範囲のある人ではないんですね?」
新米 「いや、ご主人の社保扶養に入っている人だから、収入を130万円未満としている人だよ。コロナワクチンの打ち手が足りないからと知人から連絡が来て、社会貢献にもなるだろうし、優先的にワクチンも打ってもらえて、コロナ禍になってから面会もできてない施設に入りっぱなしのお母様とも会いたいっていうのが理由だそうだ」
大塚T 「そうかー。高齢者施設や病院では面会も自由にできなくなってますものね。それは、お会いしたいですよね…」
所長 「そうなんだ。その人にとっては良いことだらけなんだよ。それに、今回は健康保険上の扶養家族でも、『新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例』が使えるようになったからね」
新米 「その特例って何ですか?」
大塚T 「あらま、君、情報収集してないのー?」
新米 「あ、はい、遅れてるかもです…」
E子 「今般の特例措置は、コロナウイルスワクチン接種業務の緊要性から、医療職がワクチン接種業務に従事したことによる給与収入について、被扶養者の収入確認の際の年間収入に算定しないというものなの」
新米 「へぇ~、130万円超えても社保の扶養のままでOKなんですか…」
E子 「そう。この扱いは、年間収入が130万円未満であるか否かの判定のみではなく、被保険者の年間収入との比較においても同様の扱いとなるのよ」
新米 「あ、配偶者さんの収入との比較もありますもんね」
大塚T 「これって、ワクチン接種会場で仕事する人なら誰でも該当するんでしたっけ?」
深田GL 「いや、それは該当しないな。この特例措置の対象者は、新型コロナワクチン接種業務に従事する医療職(医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士及び救急救命士)だけだよ」
大塚T 「やっぱり全員ってわけではないんですね」
深田GL 「ワクチン接種会場や医療機関で、直接ワクチンの注射や予診、ワクチンの調整、接種後の経過観察等に有資格者として従事する場合には特例の対象となるけれど、その他は特例措置の対象とならないんだ」
新米 「そうなんですかー」
深田GL 「看護師の有資格者でも、看護師としてではなく事務職として医療機関の受付等で勤務したり、雇用契約には変更はなく、ワクチン接種に伴って残業が増加したりする場合は、特例措置の対象とはならないね」
大塚 「要は、当然にワクチン接種業務に関係していても、医療職でなくって、ワクチン接種会場の受付、医療機関の受付等での勤務は、特例措置の対象とならないってことですね」
深田GL 「そういうことだ。だから、副業申請をしてくる従業員さんがある場合には、注意してもらわないとダメだぞ」
新米 「はい、わかりました」
(『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』より一部抜粋)
● 新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事する医療職の被扶養者の収入確認の特例に関するQ&A(被保険者・被扶養者向け)
image by: Shutterstock.com