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ウーバー配達員が明かした「マクドナルドへの苦情」で得する裏ワザと過酷な配達事情

メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』に届いた相談をきっかけに、そのメールの送り主で都内在住の女性タクシードライバーにインタビューする機会を得た交通ジャーナリストの吉田武さん。前回の記事『配達員自身が告白、ウーバーの「危険運転」とマクドナルド配達の裏』では、今度は女性ドライバーから紹介された現役ウーバーイーツ配達員にインタビューする機会を得た吉田さんが、「接触事故」で知り合ったという2人の出会いと、コロナ禍でのウーバー配送員の現状を聞き出しました。そして今回、吉田さんは同じウーバー配達員から、マクドナルドで注文した商品が冷めていたとき等に苦情を出す時の裏技や、過酷な配達事情について聞き出しています。

※本記事は有料メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』2021年5月21日、28日号の一部を抜粋したものです。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

ウーバー配達員が明かしたマクドナルド苦情の裏技と過酷な配達事情

女性タクシードライバーのFさんから紹介して頂いた清水さん(下の名前はNGとのこと)はウーバーイーツで自身の電動自転車を使ってフードデリバリーをしているという。配達する側からの目線で交通状況など含め、どのような観点を頂いているのかなど忌憚なく伺ってきた。

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吉田:そういえば以前マクドナルドにウーバーイーツからオーダーした際、到着予定時刻を超えても届かないからどうしちゃっているんだろうと待っていたんですよね。そしたら電話がかかってきて「自宅がわからない」と。改めて住所を伝えたら配達員側の頭の中に僕の住まいエリアに東西南北の”北”が抜け落ちていたようで全然違う場所の番地にいたという間抜けな事案があったんだよね。おかげでマックフライポテトが冷めてカチカチ状態で到着する始末。こういうことって日常茶飯事なの?

清水:これは裏ワザと言いますかライフハック術と言いますか、少々お手間かけますけどウーバーイーツにメールで問い合わせしてクレームを入れたほうが良いですね。特にマクドナルドの場合、マックフライポテトへのクレームは圧倒的に多いそうなんです。やはり時間経過と共に冷めてしまうと固くなったりしなびたりと美味しくありません。まぁ、熱々の揚げたてを食べたければ直接マクドナルドの店舗で買えと言われそうですが、そればかりをやられると僕ら配送員たちの仕事がなくなってしまうので可能な限り僕の場合ですけども、マクドナルドの配達に関してはかなりデリケートに速度命みたいに考えていますよ。それと前述のマックフライポテトが冷めていた場合のクレームですが、マクドナルドへ連絡入れても意味がないので、ウーバーイーツへ遠慮なくクレーム処理を行なって欲しいのです。

吉田:なぜにそこまでクレームを勧めるんですか?

清水:結局海外の企業ですからクレーム対応もドライなんですよね。で、消費者側がやはり強いわけですから、マックフライポテトが冷めていたら配達した担当が届けるのが遅かったことが当然起因していますけど、わざわざ遅延するわけはないです。住所を間違って自分で記憶していたり、特に大きな何棟もあるような集合住宅となると入口すら見つけるのが困難な時もあります。

吉田:つまり……マックフライポテトはウーバーイーツで配達してもらう場合はそれなりに冷めてしまっていることを覚悟したうえで注文してくれってことなのかな?

清水:僕の口からはさすがにクライアントですのでそのようなことは言えませんが、まず熱々のマックフライポテトは食べれるわけはないですよね。配達時間もありますからそれは無理なんです。そこでウーバーイーツへのクレームが役に立つんですよ。冷めたマックフライポテトは食べちゃっても構いません。配達員への評価ボタンが出てくると思いますが、その枠内に「サポートへ問い合わせる」と表示がありますので、そこから「料理の品質に問題があった」まで辿り付いてください。そこで「料理に不備があった場合は、詳細の記載、及び画像を送ってください」だったかな? そのような画面が出てくるはずです。そこで注文した商品を食べる前の写真でも、食べ終えた後のマックフライポテトの空箱の写真でもいいので撮って添付してください。すると早ければ3~4日ほどでウーバーイーツから返信が来ます。返金処理はされないのですが、次回ウーバーイーツ注文時に500円分割引されるウーバークレジットが付与されるんです。

吉田:なんなんですか!その裏ワザは!

清水:これは別にマックフライポテトだけではなく、ラーメンなどの麺類にも当てはまります。麺が伸びてスープを吸ってしまっている場合なんかも泣き寝入りしてしまう方がいらっしゃいますが、遠慮なくその注文した品の写真を撮ってウーバーイーツ側へ対応してもらってください。500円付与されますから。

吉田:品質が微妙だけどお腹に入れちゃう前に写真を撮っておいて納得いかなければクレームをする……なんだか申し訳ない気もするけどウーバーイーツ自体もそうやってクレーム対応して巨大企業になってきているだろうから遠慮なく今後その裏ワザを使わせてもらいます(笑)。

清水:中には何度もクレーム入れて悪用する人もいるそうですが、しっかりウーバーイーツ本体がウォッチリストにそういう人物は登録しているようですよ。でもなかなか立証できないので今後そういう人はどう対応していくのか気になりますけどね。

吉田:コロナ禍のせいで玄関前に注文した品を届けてもらったら連絡が来るスタイルがここのところ当たり前になっているので、配達員がどんな人かもわかんないけど、わざわざ遠回りで遅延して届けようとするバカなんていないから僕は配達員には感謝していますよ。

清水:ありがとうございます。とにかく僕らは街の嫌われ者になってますから、決して高評価される職業ではないことも理解しています。ド底辺な仕事と僕は勝手に認識したうえでウーバーイーツの配達員をやっています。ちなみに吉田さんはどういう時にフードデリバリーサービスを使いますか?

吉田:雨の日には注文すること多いね。

清水:大雨の日など天候の悪い時は一番地獄ですけども、配達員も逆に少ないから稼ぎまくれるんですよね。

吉田:なるほど。配達員は自由出勤みたいなもんだしな!

清水:雨の日は配達も大変な面もありますが、仕事の発注自体がむしろ多くなるので稼げるうえで僕はライバル=配達員の稼働が少なくなるタイミングとして雨を好んでいますね。

吉田:自転車乗りだと雨は嫌がるものじゃないのかな?

清水:僕は常に雨合羽を持ち歩いていますから万全な体制でいつも自転車に乗っています。ですので、豪雨や台風のような土砂降りの雨以外であれば平常営業ですね(苦笑)。

吉田:清水さんの言う平常とは?

清水:雨にも負けず風にも負けずなだけですよ。僕の知り合いで親しいウーバーイーツやっている配達員の多くは「雨だと自宅から出たくないからそういう日は仕事しない」と言うんですよね。つまり僕の中ではチャンスなんです。悪天候の時ほど配達のオファーが舞い込みますので一番稼げるタイミングに休むなんてことしたくないわけなんです。

吉田:根性あるなぁ。

清水:いえいえ、配達オファーがない時の暇さを味わってしまっていたもんで(笑)。

吉田:どういうシチュエーションで?

清水:土日の良い天気の日はウーバーイーツの配達員は多いですね。となると仕事の奪い合いになることも。配達員が多いとそれだけ配達件数が減りますから暇になった際は公園のベンチで2時間ぐらいボケーっと鳩に餌をやっていた時もありましたし(苦笑)。

吉田:暇なこともあるんですね。

清水:まぁ自分自身がどこにいるかのタイミング次第で配達オファーが来ますからそれはそれで運によりけりな部分はあります。ですがデリバリービジネスと言いますか、食べ物を配達するプレッシャーにウーバーイーツを始めたばかりの頃は心や気持ちも重たくて、その時はガツガツと仕事を受ける気にもならなかったんです。

吉田:食べ物だからこそ温かい状態で配達しなくてはならないプレッシャー?

清水:そう思いたくなかったんですけど、おそらくカラダがそう感じていたんでしょうね。

吉田:何が清水さん自身を変えたんですか?

清水:エレベーターのない旧タイプの団地住まいの方へ配達したのが切っ掛けです。今でも忘れられないのが足の悪いおばあさんで、ウーバーイーツで初めて注文したという方で

した。団地の4階に住んでいらっしゃって、その日は雨が降っていたんですね。足の悪い高齢者ということもあってか、買い物も行けないとのことでうどんの配達をしたところ玄関先で世間話をされまして、僕もまだウーバーイーツそのものに慣れてもなかったし馴染んでもなかったのでおばあさんと少々玄関のところで立ち話。そして帰ろうとした際、階段のほうまでおばあさんが慌てて向かってきたので何かうどんに問題があったのかと思ったんですね。

吉田:立ち話でうどんが伸びたから直接クレームとか?

清水:と僕も思ったんですけど……おばあさんは「私の孫もあんたと同じぐらいなんだけどコロナ禍で会えないから話に付き合わせてしまってごめんなさいね」とペットボトルのお茶とどら焼きを貰ったんです。僕としてはただ仕事として配達しただけなので恐縮した次第だったんですが、下町エリアの団地でしたので人情味溢れる他人からの温かさに感動してしまい……。

吉田:まさしくそこで覚醒した感じですか?

清水:はい。団地脇にある公園のベンチに座りながらどら焼きを頬張ってお茶を飲んだことが深く記憶に刻まれていますね。食べながら「フードデリバリーサービスを必要とするお客さんもいるんだよな!」と外出が億劫で配達を希望する人だけではなく、配達してくれる人を必要とするお客さんが世の中にはいるんだと目覚めました。このおばあさんへ配達していなかったら運送屋の助手仕事へ間違いなく戻っていたと思います。それぐらい悩んでいた時だったので……。(まだまだ続く)

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