会社勤めでは、上司、同僚、部下を選ぶことは難しいかもしれませんが、子育てや自己啓発をするコミュニティで付き合う人は選ぶことができます。
スポーツであれ、NPO活動であれ、「ご自身がこうありたいと思う人たちが集まるコミュニティ」に親子で参加するようにしましょう。
そうすれば、イライラすることもなくなりますし、子どもたちも自然にそこに集まる大人たちの考え方や立ち居振る舞いをマネします。
さらに、そうした「意識高い系」の人たちとのおつきあいは、スポーツNPOや活動をきっかけに、より広く深いものになっていきます。それこそ、生涯のおつきあいになるかもしれません。
おかげさまで、いま私は、尊敬できる各界の先輩や後輩と、勉強会やNPOなど、仕事以外のコミュニティで交流を続けさせていただいております。こうしたご縁こそ、お金や地位よりも大切で、幸せな暮らしに欠かせないものだと実感しています。
今回のご質問を受けて、なぜ、私ごときが、こんなありがたいご縁に恵まれたのか考えてみました。
私は、絶滅危惧種の国産Tシャツメーカーの後継者で、20年以上も、日々、金融機関、仕入先、販売先に少なくないイヤな人とタフなつきあいをせざるを得ない状況にあったのです。仕事だけの人づきあいだったら、もともと学生時代に半鬱状態だった私のことですから、おかしくなっていたかもしれません。
だからこそ、仕事以外のお付き合いを広げ、「この人みたいになりたい」という人とだけつきあうように心がけたのです。
世の中は「2:6:2の原則」で動いていると、ちょうど先日の大学教授会でも話題になりました。今回の質問に当てはめるなら、2割が気の合う意識の高い人、6割は普通の人、2割が相容れない昭和ノリの人がいるということになるでしょう。だとすれば、仕事以外のコミュニティでは、2割の気の合う意識高い系の人と、親子共々付き合うようにされてはいかがでしょう。
そうすれば、ダメな昭和ノリの人を直すという不毛な労力を、こうなりたい憧れの師匠をマネして近づこうという努力に振り向けられます。そんな真っ当で向上心あふれる親の姿を、お子さんも目の当たりにして、きっと真似をしたくなるはずです。
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