私がお付き合いをしている中古車の販売店の社長はまだ40代後半くらいなんですが、ある時、その会社に若い社員が入って来たんです。その人が車検のために私のクルマを取りに来たので、ちょっとだけ世間話をしたら、まだ20代前半だというのに、もう子供がいるんですね。
それは今の時代では早いよね~、じゃ仕事も頑張らなきゃねなんてことを話していたら、実はその人が社長の息子だって話になって、えええ?ってことは彼は40代でおじいちゃん?
それだと共働きをしても、家族が子育ての手伝いをしてくれるわけですよ。世代のターンオーバーが早い、つまり世代が密集しているため、稼働年数が重なっているわけですよ。
例えば、私たち夫婦が今から子育てをしようとしても、私の母親は何もそれに貢献できません。だって80歳で認知症になっているから。でもあちらは祖母に当たる人が未だ40代なら、そりゃ何かできますよね。
そういえばウチの近所でも、まだ30代なのに子供が高校生なんてご夫婦がゴロゴロいますから。
都会だと子育てをアウトソースしようとしたら、かなりのおカネが掛かります。その分のおカネが田舎で、地元で暮らしていたら不要になるわけですから、これは所得が増えたのと同じ効果があるわけですよ。
もちろん生活物価だって、東京とは比べものになりません。特に生鮮食料品の値段の安さと質の高さは、言いにくいですが都会は刑務所並みじゃないかと思います。しかしデメリットもありまして、田舎で所得の低さがネガティブに効いてくるのが、自動車のような耐久消費財を買う時です。これは都会も田舎も同じ価格ですから、所得が高い地域の人の方が有利に買えますからね。スマホなんかも同じです。
でもなんといってもそれ以外の経済面では、トータルの所得の低さを十分に補うだけの安さがあります。特に賃貸で暮らす場合には、家賃はフツーに半額以下、場所によっては1/3、駐車場代を考慮したら1/4くらいになるかも知れません。おまけに渋滞の少なさ、駐車場の広さなど、クルマをツールとして使う環境の良さは、都会とは比べものになりません。
これで土地があって家庭菜園とかを始めたら、ざっくり年収が半分になっても生活水準は維持できるように思います。それなら田舎暮らしはペイするというか、現実的な選択肢になり得るんですよね。
親族が同じエリアにいて、家族で負荷を分担できるのであれば、こちらでの年収500万は、都会での年収1,000万よりも幸せに生きられると思います。これは生活してみて分かったんですけどね。そして500万なら共働きなら、田舎でもムリが無い設計図なんです。となると、おカネという価値観に縛られずに生きられるということです。